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石楠花物語中学生時代
源チサの大ピンチ
語り【こうして何ヵ月かの月日が流れ、2003年9月…。千里も少しずつ自信を取り戻し、おもらしのトラウマからも立ち直ってきた。又、女装にも大分慣れ、割りと満更でもない様子で楽しくやっているみたいだ。…そして、イベント開催式の日】

 
永延
   麻衣、千里、須山、房恵、芳惠。

麻衣「ほいじゃあチサちゃん、いよいよ本番よ。頑張ってね。」
千里「頑張るって…」
麻衣「今まで通りにやればいいのよ。ほいじゃあ私は、原村行ってくる。やるからにはグランプリ狙うんよ。」
千里「え、え?君、行っちゃうの?」
麻衣「えぇ、私行かなくちゃ…あんたなら大丈夫よ。接客もふんとぉーのウエイター」

   口をつぐむ。

麻衣「ウエイトレスみたいだもの、大丈夫よ。」

   房恵を見る。

麻衣「では、叔母さん!」
房恵「分かったわ。なら私、麻衣ちゃん送ってくるわね。」

   二人、店を出ていく。

房恵「かりんは最終日よ、宜しくね。」
麻衣「分かった、手伝いますわ。」

   千里、不安げに二人を見送る。

須山「それじゃあ…チサちゃん、」 
千里「はい…」
芳惠「頑張りな!!あんた可愛いんだから笑顔と接客態度さえ宜しければグランプリ間違いなしだよ。」
千里「僕、…私、グランプリなんて望んでません。グランプリとったら何かいいことあるんですか?」
芳惠「ほりゃほりゃ!!この、永延が全国紙に紹介されるだろ?そしてあんたは一年間諏訪観光大使として任命される、しかも看板娘は一年間諏訪中の食べ物屋の料理が一品無料サービス!!しかもしかも、」

   千里、不貞腐れる。

千里「私、そんなのどれもいりませんから…」
芳惠「いいで最後まで聞きな!!最後がすごくいいんだ。因みに?あんたは何か今欲しいもんはあるのかい?」
千里「ピアノ…でも、これが一番じゃないの…」
芳惠「言ってごらん?」
千里「パパ…」
芳惠「え?」

   芳惠、須山、顔を見合わす。

芳惠「パパって…どういうこんだい?あんたパパがいないのかい?」 

   千里、泣き出しそうに俯く。

千里「私のパパは…パパは…昨年の、城南団地元木マンションの事故で亡くなったんです…だから、だから私の今一番は!!」

   泣く。

千里「パパに戻ってほしいの!!パパがいれば私もう何も要らない!!」

   須山、芳惠、千里を慰める。千里、蹲って泣き出してしまう。

芳惠「そうか…辛いこと思い出させちまったね…。流石に…それだけは私達にもどうにもならんけど、あんたの二番目の願いなら叶えられるかもね。」
須山「その代わり、君がしっかり働いてグランプリとれたらだけどね…」
千里「ごめんなさい…」

   立ち上がる

千里「もう時間ですよね…」
須山「大丈夫化?ほら、しっかり涙を拭いて。そうじゃないと、お客さんに心配されるぞ。」
千里「はい…」
芳惠「よしっ、では…渇を入れてぇ?信州ぅ」
三人「アップルアップル!!」

   笑いあって行動を始める。

原小学校・校庭
   様々な婦人会のブースが立ち並ぶ。払沢ブースには麻衣。

麻耶「では麻衣ちゃん、頑張ってね。宜しく。」
麻衣「えぇ、こちらこそ!!」
幸恵「払沢区民全員、あなたに期待してるのよ。あなたならきっとやってくれると信じてるわ。」
麻衣「はい、」

   放送がかかっている。

麻衣「あ、」
綿子「ほら、開会式が始まるわよ。」


   全地区の全員が開会式に集まる。


諏訪市役所前
   一方その頃。千里たちも集まって諏訪の地区ごとの開会式も行われている。


原小学校・校庭
   それぞれの販売とピーアールが行われている。

幸恵「さぁ、麻衣ちゃん。そろそろめがねをとってね。あなたの出番よ。」
麻衣「このブースの前でやればいいですか?」
綿子「えぇ、打ち合わせの通りにね…それより、」

   風船アートを作りながらキョロキョロ。

綿子「家のバカ息子は一体どこに行ったのかねぇ?さっきまでこの辺にいたのに…」
文子「家の望美もいませんわ。」
英子「家の秀一も、」
名取「未央もいないわ。」
幸恵「健司もですわ、」

   何か思い当たる。

幸恵「ん、あの子達…きっと何か又悪いことを企んでいるわね。」


原村役場前
   健司、千歳、望美、秀一、未央がいる。

健司「なぁ、もう始まったぜ…結局晴れちまったしさぁ…俺、てるてるぼーず100個も作って逆さだるまにして吊るしたんだぜ?ほれなんに…」
望美「100個じゃダメだぜ。120個やらなくちゃ。」
健司「うぇーっ?」
秀一「しかしタケ、セルリーお前が食べなけりゃいいだけの話だろ?どいでそこまで嫌がって、しかも潰そうとまでしてるんだよ?」
健司「あれだけのご婦人方が、セルリー料理を作ってみろ!!少なくとも払沢中はあの臭いに包まれるんだぞ!!俺は臭いすらダメなんだ!あの臭いを嗅ぐと吐き気がする…」
未央「ふーん…ま、逃げられねぇこんもないけどな…」
健司「何っ?何かいい手があるのかよ?」
未央「あるよ。」

   ニヤリ

未央「幸い、タケ、お前を除いてここにいる俺ら全員の家はセルリー農家をやってんだ。」
健司「ほーほー、」
未央「だから、」
 
   他メンバーに耳打ち。

未央「な。」
望美「おー、ほれが一番確かにいいかもな。」
健司「でも、ほー上手く行くのかなぁ…?」
秀一「一か八かやってみるしかねぇーだろ?これが一番手っ取り早いんだ。」
健司「うーん…」
千歳「な、タケ!!俺たちに任せろ!お前は俺たちのいう通りに動きゃいいんだ。きっと上手くいく!」
健司「チーちゃん…うーん。分かった、」

   渋々。

健司「でも、何があっても俺を見捨てない敵に寝返らないって約束してくれるか?」
千歳「勿論だとも。」
望美「俺ら、友達だろ。」
未央「大切なとものためなら力を貸すよ。」
秀一「な、」
健司「みんなぁ!!うんっ、ありがとう。」

   全員、手を重ね合わせて渇を入れる。


原小学校・校庭
   先ずは野菜販売と試食のブースをやっている。麻衣はめがねを外して接客をしている。

幸恵「みんなのいる所くらい見当がつきますわ。」
綿子「岩波さん、あなた分かるの?何処?」
幸恵「きっと黒幕は家の子よ…」
文子「健司ちゃんが?そんなこと…あの子に限って」
英子「そうよ、あの真面目で確り者の健司ちゃん…きっと家のバカ息子に巻き込まれて又何かやらされているのよ。」
麻耶「見つけ出してうんとお仕置きしてやらなくちゃいけないわ、」
幸恵「いいえ、」

   呆れ笑い

幸恵「私には、あの子の考えていることくらい目に見えていますの…見ていなさい。そっちがその考えなら、私達だって黙っちゃいないわよ、覚悟なさい、健司っ!!」

   意味深な笑み。

幸恵「みなさん、私に考えがあります。ちょっとお耳を…」

   他メンバーに耳打ちをしている。

永延・店内
   店内は混んでいる。千里は接客をしているが大人気。

客「チサちゃん、チサちゃん!!スパゲッティーボロネーゼ一つ。」
客「俺にはホットココアね。」
千里「はーいっ、わかりましたぁ!!」

   忙しそうに動いている。

千里(トイレ行きたいな…でも、お店が閉まってからにしないと…男だってことバレちゃうよな…)
須山「チサちゃん、ちょっと」
千里「はーいっ!!スパゲッティーボロネーゼ一つ。ホットココアも宜しくお願いします!!」
芳惠、須山「畏まりましたぁ!!」
千里(フーッ…) 


原村役場・倉庫
   健司、千歳、望美、秀一、未央が段ボール箱を重そうに運び出している。

未央「もうじきコンテストが始まるぞ。その前にこれを運び出して…」
健司「でも何処へ?」
秀一「農協に隠すのさ。」
健司「農協に?」
望美「そう。農協にいつも、山梨ナンバーの軽トラが止まってるんだ。そのトラックはいつも同じ時間に来て同じ時間に出ていく。だもんで、そのトラックの上に乗せるんだよ。」
健司「はぁ?」
千歳「山梨までセルリーばいばーい!!持っていってもらうのさ。」 


原小学校・校庭
 
幸恵「だからきっと家の子、セルリー料理コンテストをどうにかしてやめさせようって考えるはずだわ。だからきっと、コンテスト前にセルリーを何処かへ…」
綿子「なら、探して…」
幸恵「ちょっとお待ちください。」
綿子「何、岩波さん…」
幸恵「ここはひとまず、あの子達を懲らしめるために引っ掛かったふりをするのです。それでですね、」

   再び耳打ち。

幸恵「って、こんな考えはいかがでしょうか?」
綿子「なかなかいいわねぇ!!」
文子「やってみましょう。」
英子「健司くんのお母様は流石若いだけあるわ。頭がいいです事。」
幸恵「家でもしょっちゅう健司の悪戯に手を挙げてますからね。あの子の考えなど大分見えてきましたわ。」


払沢・農協
   健司、千歳、望美、秀一、未央。仕事を全て終える。

千歳「よしっと終わった!!」
望美「これで堂々してられるな。」

   健司、浮かないかお。

未央「おいおい、まだなんかあるか?」
健司「俺のお袋がほー簡単に諦めるとは思えないよ。だで俺…」

   歩き出す。

健司「最後の手段…逃げる。」
秀一「おいおい!!それなら今まで何のために潰しにかかったんだ?潰した意味ないだろ?お前が初めから逃げるんなら、」
健司「分かってねぇなぁ!!このコンテストにはお袋も出る気満々なんだぞ!!この日のために俺んちの夕食には必ずセルリー料理が一品はある…家中セルリー臭…今生きてるのが奇跡だよ…。これに優勝したらどーなる?セルリー一箱分だぞ!!」

   健司、歩いていく。

健司「お、丁度バス!!おーいっ、乗りまーすっ!!」

   健司、止まったバスに急いで乗り込む。他の四人の男子、やれやれと笑う。

秀一「おーい、捕まるなよぉ!!」
未央「上手く逃げ切れぇーっ!!」
望美「お前の幸運を願うっ。」
千歳「健闘を祈る、頑張れよタケっ。」

   四人、クスクスと笑って歩いていく。バスは走っていく。

バスの中
   健司一人。

健司(こんなセルリー臭い村にいろだなんて…冗談じゃないっつーの。何処行こう?何処へ向かう?勿論彼処しかないだろうにっ!!)


永延・店内
   接客中の千里。

客「ん、チサちゃんどうした?具合悪いか?」
客「顔色悪いぞ。」
千里「いや…大丈夫です…。そんなことはありません…」
客「そうか?だが…」
客「須山君っ!!」
千里「だから大丈夫っ!!何でもないんですって!!ちょっと緊張しているだけですわ。」

   足早にカウンターへ戻っていく。須山、芳惠、心配そうに千里を見る。

須山「チサちゃん、調子が悪いのなら無理はしないでいいよ。」
芳惠「そうよ、少しお休みなさい。」
千里「大丈夫なんです…ただなれないイベントですし、私、本番に弱いので緊張しちゃってる…だけなんです…。」

  
そこへ健司が入ってくる。

健司「こんにちはぁ…」

   千里に気がつく。

健司「よっす、」
千里「健司くんっ!!」

   嬉しそうに安心っぽく微笑む。



   健司、千里に近づく。

健司「麻衣から聞いてる、あんたが源チサ?」
千里「健司くんっ!!久し振り。良かった君が来てくれて。」 
健司「ん、久し振り?俺ら会ったことあったっけ?」
千里「あったっけって…」

   千里、健司の手を引いて店の外へと連れ出す。


永延・店の外

健司「何々?」
千里「分からない?僕だよ!!ほら、昨年元木マンションで一緒になった千里、小口千里だよ!!」
健司「小口…千里?」

   少し考える。

健司「小口千里…っ!!」

   吹き出して大爆笑。

健司「お前っ、どいでほんな格好してんだよ!!お前、ほーゆー趣味があったのか?」
千里「シッ!!」

   声を潜める。

千里「僕がしたくてしてる訳じゃないんだ、あのさ…」

   耳打ち。

千里「ってことなの…」
健司「ふーん…ほいこんか。麻衣と、オーナー、女将を救うためね…なるほど。」
千里「あぁ…」

   駆け足をしている。

千里「ふぅーっ…」
健司「千里、どーしたんだ?寒い?」
千里「トイレぇ…」
健司「はぁ?…だったら行けよ。」
千里「仕事が終わるまでは行けないんだ。行ったら男の子だってことバレちゃうもん…」
健司「どいで?」
千里「だって!!女子トイレなんて絶対には入れないよ!!いくら女装しててバレなかったとしてもダメだよ。中身は男の子なんだもん!!」
健司「かといって、ほれじゃあ男子トイレも入れんぞ。」
千里「だから、うぅぅ…」

   時計を見る。

千里「後二時間か…大丈夫かな…」

   店の中に入る。健司もついていき、席に座る。


同・店の中
   千里、仕事に戻っている。

健司「おいっ、オーナー!!俺、…スパゲッティー一つ貰える?アラビアータで!!」
千里「か、畏まりました…スパゲッティーアラビアータ一つ…」

   カウンターへ戻っていく。

客「チサちゃん、俺にコーヒーお代わりちょうだい」
千里「は、はい!!」
客「チサちゃん、こっちにはボロネーゼ追加で。そしてドリンクバーを。」
千里「畏まりました…」

   カウンターへ戻ろうとするが途中で立ち止まる。

千里「ううっ…」
須山(チサちゃん…?)
芳惠「チサちゃん、どうしたの?」
千里「女将さぁーん…」

   芳惠、千里に近付く。客達も心配そうに千里を見る。

芳惠「大丈夫?具合悪いの?具合悪いのに無理してたの?」

   千里に触る。千里、強く首を降る。

千里「女将さんっ…」

   片手で下腹を押さえる。

千里「キャッ…」

   ワンピース姿でエプロンをつけた千里、その場で固まったままおもらしをしてしまう。客たちは一斉に千里を見る。

健司(千里…っ)
芳惠「まぁまぁチサちゃん…」

   千里の体を隠すようにスタッフルームの中へ連れていく。

須山「…。」

   須山、少し驚いて千里を見送る。


同・スタッフルームの休憩室
   芳惠と千里。

芳惠「チサちゃん…」

   千里、我慢をしているが泣き出してしまう。

芳惠「あなたずっとトイレに行きたかったの?我慢してたのね。」
千里「ごめんなさい…ごめんなさい…」
芳惠「女の子だもんね、初めてだもんね…言いにくかったのね。」
千里「フッ、フッ、…」
芳惠「でも、我慢しなくていいのよ。トイレに行きたくなったら、仕事中でも行っていいの。隆彦か、恥ずかしかったら私にいってくれれば良かったのに…」

   なく千里を抱き締める。

芳惠「よしよしよしよし、もう泣かない…ほら、」

   千里の背を叩く。

芳惠「今日はもう帰っていいわ。ゆっくり休みなさい…家に帰ったらすぐに体を温めるのよ。風邪引いちゃうわ。」
千里「はい…ありがとうございます…」
芳惠「ほら、着替えて。もう、驚いたわよ。あなたさっきからずっと様子がおかしかったもの…」

   泣く千里を部屋から連れていく。


同・店の外
   千里、裏庭から外に出る。

千里「ありがとうございました…」
芳惠「今度からはちゃんと言ってね。」

   千里、別れて歩き出す。


上諏方駅前通り
   健司が一人、ソフトクリームを嘗めながら立っている。そこへ千里。

千里「健司くん…」
健司「千里、」

   二人、歩き出す。

健司「お前、もらすまで我慢してたのかよ?バカだなぁ…変なプライド貼ってるなよ。」
千里「プライド何かじゃないよ。だって、当たり前だけど女子トイレには他の女の子が入ってるわけだろ…。申し訳ないしそれに…落ち着かないもん。」
健司「お前って…何つー男らしくない男なんだ?」

   千里をからかいながら歩いている。

健司「さぁ、とりあえずは?」

   千里、泣き出す。

健司「どうした?」
千里「又僕、ママや叔母さんに怒られちゃうよ…」
健司「おもらしのこんか?黙ってりゃ分からないって。」
千里「分かるに決まってるよ!!叔母さんなんてうんと鋭い人なんだ。どんな隠し事でもすぐに見抜かれちゃう…」
健司「なら、暫くは俺とどっか行ってるか?」
千里「ありがとう…でも一回は家帰らないと…」

   恥ずかしそうにスカートを見る。

千里「僕は今、源チサとしてここにいるわけだからこんな格好だろ…でも、スカートなんて履いてたら又スースーしてトイレに行きたくなっちゃうしそれに…」

   小声。

千里「なん知ろパンツ…」
健司「分かった。」

   笑う。

健司「お前、サイズいくつ?」
千里「女性もののS。」
健司「なら、大丈夫だ。」
千里「はぁ?」


柳平家
   千里と健司。

千里「ここは?君んち?」
健司「わりぃ…俺んち今理由あって帰れねぇーんだ。ここは、麻衣んちだよ。」
千里「麻衣ちゃんの?」
健司「あぁ。あいつの実家。今多分、麻衣のやつ、ここにいると思うんだ。」

   呼び鈴をならす。

健司「リンリンリン、こんにちはぁ。」
麻衣の声「はーい、何方?」

   開く。

麻衣「まぁ、健司!!あんた今まで何処いってたのよ!!叔母さん探してたわよ。」
健司「わりぃ。で?料理コンテストは?」
麻衣「料理コンテスト?あぁ、終わったわよ。みんなとっても美味しかったわ。健司、あんたも来れば良かっただに。」
健司「俺は嫌だよ!!」

   舌打ち

健司(チッ、結局やったのか…ま、お袋に限って優勝あり得ねーでまーいいか。)
麻衣「あんたの好きな蓼科牛の試食とかもあったし、フランクフルトを使った原村レシピのコンテストもあったのよ!!」
健司「え、フランクフルトに、蓼科牛?俺ほんなの一言も聞いてねぇーよ!!」

   悔しがる。

麻衣「お母様、優勝なさってね。優勝商品にフランクフルトと蓼科牛を貰ったみたいだで、良かったわね。あんたも楽しめるわよ。」

   健司、安堵のため息を付きながらも有頂天。麻衣、千里に気付く。

麻衣「で、あら?せんちゃんじゃないの。こんなとこまでどーしただ?てか、二人、再会したのね。」
健司「あぁ、たまたま店に入ったら女装したこいつがいてさ…驚いてはじめは笑っちまったけどな…っつーほんなこんはどーでもいいんだよ。なぁ麻衣、お前の服貸してくれねぇーか?」
麻衣「は?」


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