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石楠花物語小学校時代
町の大運動会
同・男子トイレ
   健司が駆け込む

健司「トイレ、トイレ…」

   岩井木、西脇、清水が用を足している。健司、空いている男便器に入る。

岩井木「ん、タケだ…」
西脇「酒蔵の坊っちゃんのタケだ。」
健司「何…?」

   三人、健司をまじまじ

健司「何、何だよ?」
西脇「坊っちゃんでも、おしっこってするんだな。」
健司「え?」
西脇「僕、坊っちゃんはこんな学校みたいな人前では堂々とおしっこなんてしないものかと思ってた。」
岩井木「僕も、僕も。」
清水「しかも、」

   ニヤリ

清水「そんなに豪快に…。家から我慢してきたか?」
健司「…。」

   真っ赤になって手を洗い出す。

健司「じゃあ…」

   そっと出ていく。

岩井木「なんだあいつ?」
西脇「怒った?」
清水「からかいとか通じないやつなのか?」

   三人も後から出ていく。


同・教室
   五時間目。健司、授業を受けながらもじもじ。


   (放課後)
   学校が終わると急いで学校を飛び出す。校門では岩波悟が待っている。

悟「お、タケ!やっときたか。」
健司「お兄ちゃんっ!!」

   駆け足

健司「俺先に帰るっ!!じゃあね!!」

   走っていく。

悟「お、おいタケっ!!」

   首をかしげながら歩き出す。

悟「何なんだ…あいつ…」


岩波家
   健司が飛び込む。

健司「ただいまぁっ!!」
幸恵の声「健司、ランドセルは片付けて、靴はちゃんと揃えなさい!!」
健司「分かった!!でも先にトイレっ!!」

   駆け込む。そこへ幸恵。

幸恵「全く仕方のない子ね…」

   健司のランドセルを片付けて靴を揃える。


   暫くして健司がトイレから出てくる。

健司「はぁ、スッキリした…」
幸恵「あなたは何です?学校からトイレを我慢してきたの?」
健司「うん…」
幸恵「我慢しないで学校で済ませてきなさい。どうして学校で済ませてこないの?」
健司「ほれはぁ…」

   口ごもる。

幸恵「ほらほら、今日はスイミングの日なのよ。早くなさい。」
健司「スイ?スイ?スイミング?」

   目を見開いて固まる。

健司「何だよ、お袋ほれ…」 
幸恵「あら、この間話したでしょ?あなたにはスイミングを始めてもらいます。」
健司「スイミングって…」

   ジェスチャー。幸恵、頷く。

健司「嫌だよ俺!!どいでほんなのやらなくちゃいけないのさ?」
幸恵「あなたが必ず風邪引いて、体壊す柔だからです。水泳をやれば冬にも負けない強く逞しい男の子になるわよ。私はねぇ、健司にもお兄ちゃんみたいに強くなって欲しいのよ。」
健司「うぇーっ、」

   不貞腐れる。

健司「分かったよ、やりゃいいんでしょやりゃあ!!どーせピアノやバイオリンの時みたいに、俺が拒んでもやらせるんでしょ。」

   つんとなって部屋へ入っていく。そこへ悟。

悟「ただいま、」 
幸恵「あ、悟ちゃんね。帰ってきたわ。はーい、お帰り。」


茅野市スイミングスクール
   健司と幸恵。見学に来ている。健司は早速着替えて練習に加わされている。健司、嫌々プールに入る。

   プールの中、岩井木、清水、西脇もいる。

岩井木「お、」 
健司「あ、」
清水「タケじゃん。何?お前もこれからスイミング始めるの?」

   健司、乗り気で無さそう。

清水「ははーん、母ちゃんにやれって言われたな。」 
健司「え?」
西脇「隠すなよ。実は僕たちも…みんな同じさ。」
健司「みんなも?」
岩井木「あぁ、初めはみんなお前のような感じだけどさ、やってりゃ楽しくなるぜ。」
西脇「あぁ、僕もクラスメートが一緒なら楽しいや。」
健司「ふんとぉーに?」
清水「あぁ、だから一緒に頑張ろうよ!!」

   健司、嬉しそうに微笑む。

健司「あんっ!!」
 
   三人と仲良く泳ぎ出す。見学している幸恵もフフっと微笑む。


小口家・千里の部屋
   千里、電子ピアノを弾いている。そこへ小口。

千里「あ、パパ!!」
小口「千里、又ピアノ弾いていたのかい?」
千里「うん。」
小口「千里は本当にピアノが好きなのだね。でも…」

   急に表情が厳しくなる

小口「勉強もきちんとやらなくちゃいけないぞ。」
千里「はい…」
小口「今度又、勉強で悪い点数とったら…どうするか、分かってるね?」
千里「はい…」
小口「分かったなら…」

   千里を抱き上げて勉強机へと移動させる。

小口「さっさとやりなさい。終わるまでは夕食とおやつは抜きにするようにママにも言っておくからね…」
千里「はい…」
小口「終わるまでは一歩も部屋を出てはダメだ。」 
千里「トイレは?」
小口「我慢しなさいっ!!」

   出ていく。

小口「では頑張りなさい。」
千里「そんなぁ…」

   でろーんと背凭れに凭れる。

千里「そんなの無茶だよぉ…パパの意地悪…バカ…鬼だ…。うわぁ…しかも今日は僕が何よりも大嫌いで苦手な算数だよぉ…嫌だな…」

   ノートとプリントに向かってやり出す。

玉川運動公園
   夜。麻衣、磨子、健司も来ている。

麻衣「あ、健司!」
健司「よっす。俺も来ちゃった。」
磨子「いいに、あんただっつらでもとは宮川っ子で、顔馴染みも大いだで。一緒に楽しみましょう。」
健司「おおっ。明日の運動会も俺、来るつもりだで。」
麻衣「ふんとぉー?楽しみにしとる。」
健司「俺も!磨子に麻衣、マラソン一緒に」
磨子「おーっ!!」
麻衣「イェッサァーっ!!」
健司「で?」

   キョロキョロ

健司「感じ出てるな。」
麻衣「ほーね、何かふんとぉーに出そうな雰囲気…」
健司「で?ルールは?」
磨子「一人ずつ公園内を回って、中央ステージのピアノの上に置かれているお菓子を一つとってくる。これがルールよ。」
健司「ピアノ?」

   首をかしげる

健司「ほんなもんあったっけ?」
麻衣「この為に近くの公会堂から持って来たらしいに、でも、」

   どろどろと

麻衣「噂があるんよ…」
磨子「噂?何ほれ?」
健司「どんなだよ?」
麻衣「ほのピアノで夜7時、決して弾いてはならない曲があるの。ほの曲を弾くとな…」

   順番がどんどんと進んでいく。号泣する低学年と、涼しい顔をして戻ってくる高学年以上の人。

麻衣「さぁ次は?私だ。」

   蝋燭を持って歩いていく。

麻衣「ねぇ、健司に磨子ちゃん、私さ、」

   二人に耳打ち

麻衣「だで、ほこまできたら声かけてな一緒に帰ろう。」
磨子「うん。」
健司「分かった。」
麻衣「ほいじゃあ行ってきまぁーす!!」

   奥へと進んでいく。


同・中央ステージ
   森の中のステージにグランドピアノが一台置かれている。

麻衣「フフっ、あったあった。これね。」  

   近くへ行ってお菓子をとる。

麻衣「あ、茅野駅前デュッセルドルフのスペキュロスだ!!やったぁ!!」

   お菓子を食べながら木陰に隠れる

麻衣(ここで健司と磨子ちゃんを待っていよっと!!)


   その頃、健司が出発して来る。

健司「あ、あった!!ステージ発見!!」

   麻衣、声に気がついてクスクス。ステージからは少し離れた木立に隠れている。

   健司もルンルンとお菓子をとる。

健司「お、やったぁ!!俺
この抹茶と生チョコのブラウニーもーらいっと!!」
麻衣(フフっ、ビンゴっ!!ほれ取るかと思った!!)
健司「さぁーてと、」

   ステージに座る。

健司「俺も磨子待ってようかな…」

   軈て磨子もやって来る。

磨子「よ、健司!!」
健司「お、磨子!!」
磨子「あれ、麻衣ちゃんは?」
健司「さぁ」

   二人、キョロキョロ

健司「ほーいやあいつ何処行っちまったんだ?」
磨子「え、あんた一緒じゃなかったの?」
健司「あぁ、俺の来たときにはいなかったよ。」
磨子「うっそぉ!!」

   二人、呼び回る。7時になる。

磨子「ん?」

   ピアノが奏で始める。

磨子「健司、健司、」
健司「ん?」

   二人、笑う。

健司「7時にピアノね…」
磨子「私達を脅かそうとしているんだわ。」

   笑いながら観客席に座って聞き入る。

   終わると演奏者、シルエットが頭を下げる。


同・岐路
   麻衣、健司、磨子

健司「ほれにしてもお前、ピアノ弾くまでどうしてたんだ?ピアノの後ろにでも隠れてた?」
磨子「私達を脅かそうと思ったんでしょうけど…バレバレだったに。」
麻衣「え、何のこん?」
磨子「又又ぁ、何のこん?って…」
健司「ピアノ弾いたの、お前だろ?」
磨子「7時に。」
麻衣「7時に?」

   笑う。

麻衣「ほんなまさかぁ!!私、あの後PTAの叔母さんに早く帰れって呼ばれたもんで戻ったの。帰って来たらあなたたちに謝ろうと思ってたんだけど…」 

   笑う。

磨子、健司「え…」

   顔を見合わす

磨子「じゃああのピアノは…?」
健司「一体…」
二人「誰…?」

   麻衣、キョトンとして二人を。見つめる。

岩波家・健司の部屋
   真っ暗な部屋の中、一人ベッドへ潜る健司。

健司(あれ…一体なんだったんだろうな…お化けかなぁ…恐いなぁ…)

   壁を挟んで隣が悟の部屋

健司「お兄ちゃん?お兄ちゃん、」
悟の声「何だタケ、早く寝ろよ。」
健司「まだ起きてる?」
悟の声「へー寝る。お休み…」
健司「お兄ちゃん?お兄ちゃんっ!!」

   目を閉じる。

健司「いいや…俺も早く眠っちゃお…お休みぃ…」

   軈てすぐに寝入る。
  

   (深夜2時)
   健司、薄目を開ける

健司(ん、トイレ…へー朝かな…) 

   時計を見る

健司(何だ、まだこんな時間…)

   胆試しがフラッシュバックすると身震いをする。
 
健司(ふーっ…恐いよ…)

   もじもじ

健司(誰か起きて来ないかなぁ…)

   数分立つが誰の気配もない

健司(誰も来ないの?いつもなら…)


   健司の回想の中で幸恵が健司の部屋に入ってきたり、悟が廊下に起きる音がする。
 
健司(お母さんもお兄ちゃんも起きるのに…)

   身震いをする。

健司(どうしよう…もうもれちゃうよ…)

   再び布団に入って目を閉じる。

健司(いいや、態とおねしょしちゃおう…この部屋俺一人なんだし、誰も気がつかないよ…気付かれたとしても寝たふりしてればいいの…)

   意を決しておねしょをする。

健司(ふー…)

   暫くしてそこへ幸恵

幸恵「ん?健司?」
健司(お母さんっ!?)

   健司、ギクリとして慌てる。幸恵は慌てて飛んでくる。

幸恵「健司、これ健司っ!!起きなさい!!」

   健司、寝たふりでおねしょを続ける。

幸恵「これっ、もう!!」

   布団をめくる。

健司「んんんー…」

   やっと起きたように

健司「ん…」

   幸恵を見る

健司「お母さん…?」
幸恵「健司…」

   情け無さそうに顔をしかめる

幸恵「あなたって子は全く…」

   健司、態とらしくしまったと言う顔をする。

幸恵「早く着替えて眠りなさい…」
健司「はい…」

   着替え出す。幸恵、濡れた布団を片付け出す。


玉川運動公園・グラウンド
   運動会の日、其々が席を取って座っている。岩波家も来ている。

幸恵「全く、この子って子は仕方がないのよ!!今までおねしょもしたことない子が、大の四年生にもなっておねしょをするんです!!それも又まぁ、凄い勢いで…」

   健司、顔を真っ赤にしてうつむく。

悟「まぁお母さん、許してあげようよ…タケだって毎回してるわけじゃないんだし…」
岩波「そうさ、きっとこの子も疲れが貯まっていたんだろう…」

   健司、更に紅くなってシュンとする。そこに磨子と麻衣。

磨子「聞いちゃった。何?あんた昨日おねしょしたの?」
幸恵「あら、磨子ちゃんに麻衣ちゃん、こんにちは。」
磨子、麻衣「こんにちは。」
幸恵「そうなのよ、全く仕方のない子で…困るわ。」
悟「この事はでも、」

   シーっとする

悟「誰にも言わないでおくれよ。」
麻衣「はいっ、分かっています!誰にも言いません。」
磨子「私も、約束します…」

   健司、ばつが悪そうに全員を見る

健司(とてもじゃないけど言えないよ…まさか態と、トイレ起きるのが怖くて知ってておねしょしちゃったなんてさ…あの後にお母さんが来るんならもうちょっと我慢してればよかった。)


諏訪市上川
   運動の出来る公園。やはり、席を取って座っている多くの人々

千里「えー、やっぱり僕もやらなくちゃダメ?」
小口「折角なんだ、やって来なさい。お前も少しは体鍛えて強くならなくちゃダメだ。」
千里「だって僕、バレエやってるじゃん。」
小口「それでは運動のうちに入らん。私が言っているのはだなぁー…」
珠子「もういいじゃないのパパ、」
小口「う、あぁ…」
頼子「千兄ちゃん頑張ってね。」
千里「頼ちゃん…うんっ!!お兄ちゃん、頑張ってくるね。」

   ビニールの襷をかけるとルンルンと走っていく。

   軈てセレモニーのバンド演奏が始まる。千里、それを見てうっとり

千里(いいな…来年は僕もやりたいな…吹奏楽バンド…)
 
   そこへ後藤、小平、眞澄、真亜子、マコ。

後藤「いぇーいボーイ、乗ってるかい?」

   強く肩を叩く、千里、ビクリとして転びそうになる。

千里「わぁっ!!…あぁ、後藤君に…みんな…」
眞澄「チーちゃん、今日は頑張ろうね。」
マコ「マラソン走れるかぁ?」
真亜子「明日くたばるなよ…」
千里「マラソンか…」

   恨めしそうに

千里「嫌だって言ってもどーせ強引にどれにも出させるんだろ…」
眞澄「ま、その通りだけど…」
千里「がっくし…やっぱり…」

   肩を落とす。

千里「僕、本当に走れるかなぁ?走れる自信ないよぉ…何処までぇ?」
後藤「ん、あー、お前距離知らねぇーか?」
小平「折り返しもありで、ここから六斗橋までだぜ…」
千里「ふーん、六斗橋までかっ!!」

   笑うが途端に顔が雲って目を見開き青ざめる

千里「ろ、ろ、ろ、…六斗橋までだって?そんな…あんなところまで…嘘だろぉっ…」 

   泡を吹いて目を回して後ろへ倒れる。

眞澄「ち、チーちゃんっ?」
後藤「おい、おいっ!!」
小平「千里っ?千里?」
マコ「おーいっ、生きてるかぁ?」
真亜子「しっかりしろよぉ…」
千里「ふねぇっぇ…っ」

玉川運動公園・グラウンド
   パレードが始まる。麻衣はクラリネットを吹いている。

健司「へぇー、麻衣のやつクラリネットやってんだ。何か格好いい!!」
磨子「そうよ、あれ?健司知らなかったっけ?」
健司「知らない。」

   
   軈てパレードが終わると麻衣が称賛されながら戻ってくる。

健司「おお麻衣、良かったぞ!!」
磨子「ブラーヴァ!!」
麻衣「どもども。」


   プログラムは進んでいく、麻衣たちはパン食い競争、短距離走などに出ている。

アナウンス「続きましては、マラソンです。出場希望の方は…」
健司「お、いよいよ次だな。」
磨子「えぇ、」
麻衣「ほーい…」

   三人、集合場所へと行く。


諏訪の運動公園
   同じ放送がかかっている。千里、肩を落とす

後藤「そう気を揉むなよ千里、大丈夫だって。」
小平「そうそう、こんなのお前のペースで走りゃいいんだでさ。」
眞澄「そうよチーちゃん、ファーイト!!」
千里「みんな…」

   微笑む

千里「よーしっ、僕頑張るぞぉ!!」
小平「千里…お前って、」
後藤「本当、単純なやつ…」

   四人、集合場所へと行く。


   (二所で)

アナウンス「それでは、位置について…よーいっ…」

   バンっ!!其々が其々に一斉に走り出す。

磨子「麻衣ちゃん、ほんねに飛ばして大丈夫?」
麻衣「大丈夫、大丈夫!!おりょ?健司は?」
磨子「健司?」

   キョロキョロ

健司の声「おーいっ!!」

   後ろから

健司「俺先行くぜ。」

   早く飛ばしていく。

麻衣「速い…あんねに飛ばして大丈夫ずらか?」
磨子「どーなっても知らないよ。」
麻衣「ま、私達は、」
磨子「ゆっくりと行きましょう。」

   二人、笑う。


上川バイパス沿い
   
眞澄「チーちゃん大丈夫?」
千里「ありがとう、うん、今のところまだ大丈夫だよ。」
眞澄「そ、良かった。私もチーちゃんと一緒に行くわ。だから、辛かったらいつでも言ってね。」
千里「ありがとう、君こそ。僕が男なんだから、辛かったらいつでも言えよチビでも男なんだから!!」
眞澄「分かった、ありがとう。」

   二人、笑う。後ろから後藤、小平。

小平「お、何かえらいいい感じだな?」
後藤「ラブラブしちゃって。」
千里「そんなんじゃないよ。」
眞澄「私はただ頼りないチーちゃんのお世話してただけ。」
千里「おいっ!!」

   むくれる

千里「僕はそんなに便り無さそうに見えるか?よーしっ、見てろよぉ!!」

   もうスピードで飛ばしていく。

眞澄「チーちゃん…」
後藤「速いな…」
小平「あいつ大丈夫か?」


運動公園・ゴール
   もう全員が到着している。そこへ千里がへとへとになってやって来る。

千里(やっと…ゴール…)

   大きな拍手が起きる。珠子、恥ずかしそうな顔をしている。頼子、笑って大きくてを叩く、小口は微笑んでいる。


玉川運動公園・ゴール
   麻衣と磨子が着く。

麻衣「ん?」

   キョロキョロ

麻衣「私達ってもしかして…」
磨子「一番乗り?」

   周りからは大歓声。

磨子「でも、おかしいわ…健司、私達を抜いていったダニ…」

   その後、次々と人々がゴールイン。 

磨子「来ない…」
麻衣「まだ来ない…」

   一番最後、健司がへとへとになって戻る。

麻衣「あ!」
磨子「健司だ、帰ってきた!!」


   こちらでも、健司に向かって声援が飛び、幸恵は恥ずかしそうな顔をして下を向いており、岩波、悟は笑っている。麻衣、磨子もクスクス

麻衣「何だ、あんなに張り切っとっただに」
磨子「でかい口叩いて結局ビリか…」


   其々の運動会の閉会式が行われる。


   (翌日)


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