07
“元気してる?なんとなく書いたから出してしまった。”
なんて手紙だ。いやいや、気まぐれもいいところ…。
どうなったらなんとなく手紙なんて古臭いモノを書いてしまうんだ。
本当何なんだ?こいつは。
“ところでさ、一つ言い忘れてた事があったんだよね。
あっ、一つだったけな?あれ?わかんねぇや。
まぁとにかく忘れてた事書いていく。”
そこには頭で考えていた事をそのまま整理もしないで、文字にしているのが手に取るように分かる言葉が書かれていた。
最終的には、もう好きにすればいいじゃないか…そんな思考にたどり着いた。
“センチメンタルの意味分かった?なんか椿さ、俺がそう言ったら首傾げてたじゃん?
まだ分かってなかったらかわいそうだと思ったんだよね。
とにかく 椿はさ、感情を出さないようにしてたよな”
「そうか…?」
“いつも何も感じないフリしてたよね”
「フリ…?」
何故だかもう、コントが出来るような書き方だな、なんて思ってしまうのは私だけだろうか?なんて思った。
けど、その次の文から私は何も言わなくなったんだ。
ううん、言えなくなってたー…
“でもいつも何かを感じてたよね。椿は感じすぎてたんだ。
一つ目は 俺や、他の人には言葉に出来ない言葉がさ、椿には視えてた事。
目を閉じなくても見える世界を内緒にしてたよね。
俺さ、椿と初めて会った4月の時
『桜が鳴いてるから鳥が歌いに来た』
ってノートの端に書いてたの見ちゃったんだよね。
それから俺、椿の隣でそういう事をまた言ってくれるんじゃないかって期待してたんだよ。”
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