03
そう言って、俺は涙でグチャグチャになった瑠香の顔を自分の方に向けてやる。
「…しゅ…ん?」
不思議そうに俺を見る瑠香。
泣くなよ、怒るなよ…
ただ笑って欲しいんだよ。
「…笑えよ…俺だってお前の笑う顔が…見てぇ。
好きな奴の、笑顔が見たい…。」
無理やりにでも笑わせたい。なんでいっつも他の男のために泣くんだよ…。
「うっ、ヒクッ…。」
だけど、やっぱりお前は泣くんだな…
「悪かった…。」
また涙を流し出した瑠香に苦しくなって、俺はゆっくりと瑠香の頬から手を離そうとした。だけどそれを止めたのは、瑠香の手だった。
「ちっ違うよ!これはっ嬉し泣きだもんーーー!」
「…え。」
「だってだって、ちょっと昔に俊の事が大好きになってるって気付いて…でもよく考えたら私、俊には愚痴ばっかしか言ってなくて…。
全然可愛いとこ見せてなくって…!うわぁぁん」
「えっえぇ!?」
「だから…眼中にないと思ってたんだもんっ、相談役してもらってたのだって…
少しでも一緒にいたかったんだもんー!」
瑠香は本格的に泣きながら、だけど自分の手を俺に巻きつけてきた。
「…なんだよソレ…くそっ両思いなら早く手、出しときゃよかった…。」
「…うぇっ?」
「瑠香、笑え…今の望みはそれだけ、だから。」
死ぬほど強く笑ってみせて
(そう言ったら、お前はとびきりの笑顔をした)
-END…?
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