あいあい傘 3 てっきり柚子は、こうゆうの積極的なんだと思ってた。 いつも一緒に過ごして来たから大体分かってると思ってけど、俺は柚子の事なにも知らないのかもしれない。 近ければ、近くなる程、表面しか見えなくて裏を見逃してしまう。 だからたまには一歩下がってみるのも大切なのか。 (うわぁ、俺って結構視界狭いな) 焦らず一個ずつ学んで行こうと凉萌は改めた。 そして、ふと横切るのはアイツの背。 (新葉を真正面から見たことあったろうか) 常に背中を追いかけていた気がする。 目に映るシャツに凉萌はけして届かない。 ハッ!駄目だ!せっかくのパーティー。 あんな下半身男はティッシュに包んでポイ捨て……箪笥の中にだ。 『ちょっと冷たくないか?』 『んー?人が楽しくお喋りしてんのに割り込みってどうよ。 礼儀なってないあの子が悪い。よって自業自得』 我、関せずと云わんばかりな態度。 怒ってお姉様行っちゃったよ。 『そんな事よりチュンはどうなのー?』 [*前へ][次へ#] |