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またね
☆BW
「またね」という言葉がある。また会いましょうという意味だ。
ならば「また」とはいつなのか。
一時間後なのか、二時間後なのか。
一日後なのか、二日後なのか、三日後なのか。
一週間後、一ヵ月後、一年後。
いつなのか。
答はあるのか。
――それは、やってくるのか?
明日、自分が生きているとも限らないだろうに人は不思議な約束をする。
まあなんと強欲なことか!
次も自分が生きているということを、それを当たり前にしているのだから!
「N、ばいばい。」
「また会おうね」
茶色の髪を帽子に仕舞い、手を振った。
その、自分から離れていく背をNはずっと眺めていた。
不思議な気持ちだ。
Nという少年は、いままで誰かを見送るということをしたことが無かった。
おいていかれたことならあったのかもしれないが。
あるトレーナーは、
自分の事をこんなふうに見ていたことはあったのだろうか。
――また、会えるかな。
――会えたら、嬉しいな。
くすぐったい気持ちにさらされ、Nはごしごしと目をこする。
まぶしい笑顔。それを見た気がしたのだ。
隠したいそれを隠し、そして緑色の髪の少年は、
「――またね!」
目を細め、手を振った。
それはそれは輝くような笑顔を浮かべて。
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