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pkmnss
育てることと、伝えること


☆BW







楽しそうなピアノの音が聞こえる。

弾むような踊るような音楽に寄り添うのは複数の子供の歌声。


赤や黄色、かわいらしい色で塗られた壁や屋根のまわりには鳥ポケモンが寄ってきている。

どうやらこの砂場のそばの大きい木は彼らの定位置らしい。



「ね、おにいちゃん、あそぼう!」


「サッカーしよ、こっち!」



緑色の長髪を後ろで1つにまとめて帽子を被った少年、Nは、

自分の腰あたりの高さから聞こえてくる声に目線をそちらへ向ける。







Nはプラズマ団の王様だったという過去を持つ。



全ポケモンの開放を目指し、さまざまなところで騒ぎを起こし、

ついにはイッシュに伝わる伝説のドラゴンを手に入れたというプラズマ団の頭という過去。



彼はポケモンの開放という名目は建前であり、

たんに一部の人間のみがポケモンという便利な生き物を使える世界を作るのがNの父親、ゲーチスという男の目的であった事を知った。




自分の行いが失敗であり間違いだったと認め、プラズマ団首相は去った。

国際警察の人間はゲーチスを追い、ゲーチスを除く七賢人は皆捕まった。



そしてNは、人間とポケモンのつながりと絆を知った今、ポケモンの開放を望むことは無い。





「ほらN、聞こえてるなら返事しなきゃ伝わらないよ」



茶色い髪を持つ同年代のトレーナーがNに声を掛ける。

砂まみれの幼児たちと戯れている。




もう一人の英雄。


プラズマ団を止めたこのトレーナーの存在はNにとって大きいものだった。


人間が好きだと、はじめてそんなことをNに言ったポケモンのトレーナーであり。

ポケモンの開放ではなく、ポケモンと人間の絆をNに伝えたトレーナーであり。


なにより、Nの唯一の、Nとポケモンのような関係を築けるかもしれない、

トモダチ、になれるかもしれないとなりたいと思ってしまう相手だった。






ここは満3歳から小学校就学までの幼児を保育し、年齢に相応しい適切な環境を整え、心身の発達を助長するための教育施設。(Wikipedia引用)

とある幼稚園と名のつく場所である。




なにやら伝説のドラゴンが騒ぐもので上を見上げてみるともう一体のドラゴンが飛んできており、

そこに乗っていた人物にちょっと今暇?と訊ねられ、いや何の用事もないけどと答えればここに連れてこられたのだ。




くわしい説明もなく、ここの子達と一緒に遊んでくれればうれしいなと言われたのだ。

まあ断る理由も無いしなぁとは思ったが。


なんでこうなった。




「ね、おにいちゃん!」




無邪気な子供たちの遊んでくれコールに我に返るN。


楽しそうだなぁと鉄棒やブランコに乗っている子供を見る。







〜〜〜〜〜


続き作成中




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あきゅろす。
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