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Short Story
運命(さだめ)の双焔(ふたほむら)
 神々が告げる新たな物語の始まり−−−。
 未来で起こった微かな揺らぎが螺旋を揺らし、流れを変えられた運命(さだめ)の双子は引き裂かれた。

 水晶が告げる二つの焔(ほのお)の行く末。
「ひとつは『セイ』を、ひとつは『シ』を司るであろう。」
老婆は、二つの焔を宿す女性にそう告げた。
「…この子達が…。」
「……『セイ』・『シ』を司る、双子…か。」
隣りに佇む男は、妻の腹に宿る我が子を想った。永久の別離(わかれ)を惜しむかのように。

 奏でられた始まり−−−一方は母の腕(かいな)に留まり、一方は父の腕に抱かれ、離れてゆく。
 いつか再び巡り会う一時の『別離(わかれ)』、もう二度と会うことは叶わぬ永久の『別離(わかれ)』。その『別離』の命運を分けたのは、死の『女神』に祝福された者か、否か−−−。

 忍び寄る、『死』の影。その影から焔を守るため、父は馬を駆る。
「セルシール!」
「マリー…私達はもう二度と会えないだろう。『セイ』の命を頼んだ!」
走り去る馬。母は娘を抱きしめ、その名を呼んだ。
 『魂を迎え入れる少女』の名を。

 それから、螺旋は幾度も流れを変えた−−−。
 神々は、何も知らぬ少女に運命(さだめ)の始まりを告げ、何も知らぬ少年に運命(さだめ)の始まりをもたらした。

 水晶が告げる、娘の行く末。
「いずれ訪れるであろう神の落とし子に導かれ、汝は光を手に入れるであろう。」
老婆は、焔を燃え上がらせて懸命に生きる少女に、そう告げた。
「私、確かめてみたい。何を手に入れるのか…。」
少女は呟き、両手を見つめた。

 そして、少女は、『シ』を負った片割れと共に世界を巡る。
 その運命(さだめ)が、次のモノガタリを綴ることになるとも知らずに−−−。










後記
ソーサが何故、ライラ達についてきたのかということを解明するお話、だったはずなんですが!
グダグダになってしまい、挙げ句にオチがあああっ!
少しネタバレしました(爆)

キラとライラ以外は旅の目的がハッキリしていないので…掘り下げてみようと思いましたが、この様です。
ソーサは、自分が手に入れる『光』が一体何なのか確かめたい、ということでついてきています。
ライラ達に告げた『運命を見極めたい』という言葉はこれのことなんですよね
わかりにくくてスミマセンorz



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