[通常モード] [URL送信]

we are
夏だ!海だ!背泳ぎだ!
虚海「夏よ!海よ!さあ泳ぐわよ!」
柑香「めずらしいですねーうみちゃんがはいてんしょんなの」
う「夏だからよ!じゃあ訊くわ。海といえば?」
み「せ……せおよぎ!」
う「何故に背泳ぎ!?他に無いの!?」
み「うう…じゃあ、いぬかき!」
う「クロールとか平泳ぎとかのメジャー所が一切出てこない!?これは芸術だわっ!」
み「みかかはおほめにあずかりごきょうしゅくでございます」
う「いや、恐縮に御は要らないから」
み「せおよぎならとくいなんです!いまからごひろうしてさしあげますよ!」
う「じゃあ不思議だからご披露して差し上げて!」
み「はいです!」

ばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃ……

う「…………」

ばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃ……

う「……かっ…帰ってきなさーい!!!!」



み「はあ…いいうんどうになりました…」
う「あれだけ泳いで!?」
み「たったの42.195きろですよ?」
う「どこが『たったの』!?あなたのそんな小さな体にどれだけの体力が詰まってるのよ!?」
み「えー、30ねんぶんぐらいでしょうか」
う「年単位ッ!?てか寿命すごく短い気がするのは何故!?」
み「あきひささまのつまになるみですから。かじんはくめいというやつです。たきなさまにうかがいました」
う「た…多喜那さん…余計な知識を……昔は×××だったくせに今ではあんなになってしまって…」
み「うみちゃんはおよがないのですか?」
う「私は泳いでるのを見るのが好きなの。先に言っておくけど、泳ぐわよ!っていったのは悪ノリってやつだから」
み「わるのり…というとあれですか、うみのなかでゆーらゆーらゆれてるみどりいろのぶったいですか?」
う「は?…って、違ーう!!それは恐らくワカメ!食べるワカメ!」
み「じゃあごはんをまいてたべるやつですか?」
う「それは海苔よ!」
み「うー。じゃあとにかくうみちゃんはおよがないんですね?」
う「そうよ」
み「およげないんですか?」
う「え!?そんな訳無いでしょ!?名前にだって海ってついてるのだし!」
み「…ちょっと、あやしい、です」
う「そ、そんな、私がカナヅチだなんて…!」
み「いやべつにそういったつもりは」
う「そうなのね…柑香ちゃんにもそんな風に思われてたのね…」
み「にも、…」
う「そうよ!だから見せつけてやるの、私はいくらだって泳げるのよっ……!!」
み「あぶないですって!そんな、ふわふわしたすかーとでおよぐなんて…って、きゃあああああああぁあぁぁあああぁ!?(ざぶーん)」
う「さよなら柑香ちゃん!私は地平線の向こうまで泳いでいって、皆をぎゃっふんと言わせてやるわっ!!」
み「ちょ!?うみちゃん!?」
う「あなたのことは忘れないわ!」
み「ええええええぇぇぇぇぇ!?」




1ヶ月後。



う「お…泳ぎきったわよ……!」
み「だいじょうぶそうにはどうもみえないんですけど…だいじょうぶですか?」
う「私は、大丈夫……(バタッ)」
み「えええ!?」
尚胡「(突然の登場誠にごめんね!)あはぁ柑香。お姉ちゃんね、海岸から沖1キロ辺りでクラゲに刺されて浮いてて、救助隊に助けられたんだよ。で、今の今まで遠くの病院に入院してたの」
み「あ、なおこちゃん…」
な「泳げないくせに泳ごうとするから…でもよく1キロまで行ったよね。すっごい進歩」
み「やっぱり、およげないんですか?」
な「そうよー。学校の水泳テストだってサボってるし、町内全員遊泳大会の日だって毎年熱出して寝込んでるしぃ」
み「なんなんですかそのたいみんぐのよさは……」
な「あ、でも長く泳げたのもただ流されただけだったかもしんないね」
み「えええ」
な「でもね。柑香のおかげでお姉ちゃんは泳げた。ありがとう、柑香」
み「わたしはかんしゃしていただくことなどなにもしておりませんが……」
な「ううん、柑香がしてくれたことは、凄いことだよ。――――ね、42.195キロ泳いだんだって!?ねえ、今度見せてよ!何で?クロール?平泳ぎ?それとも犬かき?」
み「いぬかきなんかじゃありませんよ!せおよぎです!」
な「せおよぎ?―――って、背泳ぎぃっ!??」
み「え?」
な「なんで背泳ぎでそんなに泳げるの!?何?カミワザ?今度教えてよ、背泳ぎ!あたし潜水しか出来ないのよ!」
み「せんすいしかってあたりまたすごいですけど…」
な「ね、こないだ買ったカチューシャあげるから!いくらだっけな、98万9900円だったような!ごめんね、こんなちゃっちいので」
み「いいいいいやいやどこがちゃっちいんですか!?うちにもそれくらいのおかねはかるくありますけど…って、ハッ!」
な「ね?いいでしょ?教えてね、背泳ぎ!いいよね?」
み「なあ…は、はいぃ」
な「よし!交渉成立だね!じゃ、あたしお姉ちゃん連れて帰るね!じゃーね柑香!」
み「は、あああぁ…さようならあぁぁぅぅ…つかれましたぁぁぁ…(コテン)」



んでもって、眠っちゃった柑香をSPが連れて帰るのは、それから間もなくのことだった。



そして、次の週くらいに、尚胡に約束通り背泳ぎだけを教えて、(親切に他の泳ぎを教えることもなく、てゆう意味)また42.195キロ泳ぎきって、お礼にカチューシャ(\989900)を貰って家に帰った日があったのだとさ。

おしまい

[*もどる][つぎ#]

19/21ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!