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無い物ねだり



そして…

来てしまった。
松浦幸彦…17歳にして初めての私立男子校☆
おまけに全寮制☆
さらに言うなら有名お坊ちゃん学校☆


激しく憂鬱です。



前の学校の事に気がついた母さんが転校を切り出したのがきっかけ…
あれやこれやで、いつの間にか理事長勤める親戚の秀司さんと話がついてて
彼の全面的援助のもと…
この私立隆星第一高等学校…通称『隆一』に通う事になった。
いきなりハードル上げすぎだと思う。


そんな事を走馬灯のように巡らせたのは、目の前の有り得ない程無駄に大きくかつ派手に作られた門のせいだ。
ここは日本だろ…
そんなイギリスとかウイーンじゃないんだから、百歩ゆずって天皇陛下の家ぐらいだけにしろよ…こんな門つけんの…
門から自転車通学みたいになってるだろ…
俺は、この馬鹿でかい門の端につくこれまた高性能そうなインターホンを押した。

リンゴーン

と重いい鐘の音が内側から響いた

『はいはい、どちらさまで?』
スピーカーから聞こえてきたのは良くとおる低い男の声。
感じからして、けっこう若そうだった。

「転入しにきた松浦幸彦っす」

『あぁ、そういえば今日来るって話しだったね…待ってて、今あけるから』


門番さん(?)がそう言うと、デカい門がガガガ…と鈍い音を立ててゆっくりと開いた。

む…無駄に映画みたいだ

.

[*帰ろう][行くか#]

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