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serial story
5
剣心が!!?

何で、斎藤に!!?

ちょっと、もうそれだけで俺の頭は完全に混乱状態。

何度も確認するも、張は剣心だと言い張った。


「何度か、抜刀斎がここにこいつを持って来てるの見たことあるし。」


何度か?
ちょっと待て。何度かってことは、1回、2回じゃないってこと、だよな。


しかも、見かけたことがあるって言うのなら、剣心が持ってきているのも本当なのだろう。

そう言えば、張が最近、警視庁で剣心を良く見ると言ってた。


でも、剣心はそんなこと一言も言ってなかったのに。


何で・・・?


とりあえずそれが、今一番の謎だ。


「何で?」


とりあえず、今一番近くにいる張に聞いてみる。が、そんなこと知るはずもなく、そんなん知らんとあっさり返される。


幕末からの宿敵に弁当届けるってどうよ・・・。

あれ、ひょっとして和解した・・・、とか?

いやいや、例え剣心がそうだとしても斎藤はそう言うわけには行かないだろう。


「何で??」


またもや張に聞いてみる。もう、完全に頭は混乱している。


「知らん言うてるやろ。もう、そんなんどうでもええやんか。」


張は若干呆れ気味な声色だ。


「そんなことより、左之助。この間の約束、覚えとるやろな?」


「え?」


この間の約束?何のことだっけ??


カチコチカチコチ。


しばらく、部屋の壁に掛かった時計の針の音が響くくらいお互い無言になったが、それでも俺は思い出せず、何だっけ?という顔を張に向ける。


「はぁ〜。覚えとけよ。」


張は深いため息を吐きながら、額に手を当て、首を左右に振る。


「お前が俺を残して旦那のとこに置いてった、その詫び入れる言うでたやろ?」


俺は額に人差し指を当て、しばらく考えたあとで、思い出した!と言う仕草をする。


「あぁ、確かにそんなことあったな。すっかり忘れてたぜ。」

「忘れんなよ、都合よすぎやろ。」


意地悪く笑いながら、わりぃわりぃと張の肩をポンポンと叩く俺。


「で、何すりゃ良いんだ?」


すると張はその言葉を待っていたかのように、ニヤリとあくどい笑みをこちらに向けた。

一瞬その顔にゾクっとした悪寒が走る。
ちなみにこの悪寒は、絶対によくないことが起きそうな予感でもある。


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