serial story 6 他の思考は完全停止だ。 だって目の前にあの斎藤一がいる。 まさか、こいつと合席!!? 立ち尽くしている俺に気がついたのか、斎藤が箸を止め、こっちを見上げた。 うわぁ〜、すげぇ真顔・・・。 どうすりゃ良いんだ? 何か話しかけた方が良いのか?? とりあえず、何を話し掛けたら良いのかもわからず一言。 「よ、よぅ・・・。」 しかし、あろうことか斎藤は俺の言葉を完全無視しやがった。 あの、一応挨拶したつもりだったんですが・・・? だが、斎藤は俺から目を逸らすことなく、お互いを見たまま。 聞こえなかったのか? 店結構うるさいし・・・。 俺は再度試みる。 「よう!」 今度は少し大きめな声で同じことを言った。 「でかい声を出すな、トリ頭。」 斎藤は視線を落とし、止まっていた箸を進める。 うわ、斎藤一が喋った。 じゃなくて、聞こえてんなら最初から返事くらいしろよ。 俺は心の中で文句を言いながら、席に座る。 「って、ちょっと待て。俺はトリ頭じゃなくて、左之助だ!相楽左之助!」 「・・・・。」 また、無視ですか。 こんな調子で雨が止むまで待つとか・・・無理!!! [*前へ][次へ#] |