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serial story
4
「これ。」

「ん?何や。」


俺は、そばに置いておいた、風呂敷を持ち上げる。


「斎藤に借りてたもんがあったから、返しにきたんだよ。」


「借り物?あぁ、ひょっとしてそれ借りる為にこの間旦那の家の場所聞きよったんか。」


「え・・・?」


あぁ、そう言えば俺が斎藤の見舞いに行く時、張に家の場所聞いたんだった。
あん時は、『見舞いに行く』何て言わなかったんだっけ。

いろいろ、根ほり葉ほり聞かれるのが嫌だったから。

何か、張は良い感じに勘違いしてくれてるし。

こまま斎藤の家に泊まったことなんかは黙っとこう。面倒臭ぇし。


「あっ、そうそう。そうなんだよ。」


俺は嘘くさいぐらいに満面の笑みを張に向ける。
いや、実際嘘なんだけど。


「そうか、けど残念なことに旦那、今日はおらんで。」


「あぁ、姿が見えねぇな。」


「まぁ、ただの見回りやろうけど。」


「何だ、そりゃ。」


それから張と他愛ない話をしているうちに時間はどんどんと経ってしまった。

けど、いつまで経っても斎藤は帰ってこない。


「なぁ、そろそろ帰るわ。お前も仕事があるだろ?」


「はぁ?何や、つれんなぁ。まぁ、仕事はあるけど。」


「どっちだよ。」


俺はハハッと笑い、着物を斎藤の机の上に置いて帰ろうと張にどれが斎藤の机なのか訊ねる。


「そこの一番奥のでっかい奴や。」


俺は言われた机の前まで行き、立ち止まる。

そこであるものに目が止まった。

そこにあったのは、どうみても弁当。


「左之助?どないしたんや?」


行ったっきりこちらに帰ってこない俺を不審に思ったのか、張がこちらに声を掛けながら近づいてきた。


「これ・・・。」


俺はそれを見つめたまま呟く。


「何や、ただの弁当やないか。これがどうかしたんか?」

「まさか、斎藤が作ってきてんのか?」

「アホッ、んなわけあるかいな。」


だよな、あの斎藤がまさか自分で弁当作るわけないもんな。

だいたい、似合わねぇし。

ん?じゃあ、一体だれが?


「あれや、抜刀斎。」

「はぁ!!?剣心!!!?剣心が作ってきたのか!!?斎藤に!!!?」


俺は信じられないという声と目で張を見る。


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あきゅろす。
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