serial story 5 急ぎ足で長屋に向っていたはずなのに、俺が帰り着く前に雨の方が先に振り出した。 俺は仕方なく近くにあった店の入口で雨を凌ぐ。 はぁ、も少し待ってくれてもよかったじゃねぇか。 ケチな雨だな。 濡れた顔を服の袖で拭い、鈍よりと曇った空を見上げて溜息をもらす。 結構降ってるな。 しばらくは止みそうにねぇ。 ちょうど雨宿りをしている店が飯屋であったため、しばらくはここで休んで行くか。と思い中に入った。 「いらっしゃいっ。」 店のおやじが一声掛け、俺に近づいてきた。 「すいません、お客さん。いまちょうど満席なもんで・・・、合席になりますがよろしいですか?」 確かにお客でいっぱいだ。 すごく混み合っている。 「あぁ、別にかまわねぇぜ。」 飯は剣心とこで食ってるし、そんなにたくさん注文もする気はない。 雨が止むまでって話だ。 合席でも十分。 ・・・言っとくが、この場合、別に金がないとかじゃないからな。 「こちらです。ではごゆっくり。」 おやじに案内された先で。俺は衝撃的な物を見た。 「まじかよ・・・。」 思わず口に出していた。 [*前へ][次へ#] |