serial story
4
「それにしても、あいつが警官やっていることが今だに信じらんねぇ。」
俺は視線を正面に戻して、今日斎藤を見て正直に思ったことを話した。
「確かに、そうでござるな。だが幕末の時代、斎藤も京都の治安を守っていた新撰組の1人であるから、明治の世で警官をしていることを知ったときは
そんなに驚きはしなかったでござるよ。」
「そっか。」
「斎藤は斎藤で、今の明治の世を守っているでござる。」
なんだか剣心が斎藤のことを庇っているような気がした。
そんな風に感じてしまった。
別にそれがどうしたってわけじゃないけど。いや、そもそも俺の気のせいってのもあるし。
俺は、湯呑を縁側に置くと、立ち上がる。
「おろ、帰るでござるか?」
「おう、そろそろな。なんだか、空の雲行きも怪しくなてきたし。」
空を見上げると、黒い雲が空を覆い始めていた。
さっきまでは、眩しいくらいに太陽が輝いていたのに。
「また、雨でござるか。」
昨日に引き続きの雨。
剣心は溜息を漏らす。
「洗濯物が溜まるでござる。」
剣心らしいな、と思いながら俺は家路に着いた。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!