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serial story
19
目の前に広がったのは、規則的に並んでいる机とその上に積まれているたくさんの本や資料。

部屋の片隅に置かれたすっげぇふわふわしてそうな西洋の椅子。


それから両サイドには 本棚が置かれ、これでもかと言わんばかりにギッシリと資料やら本やらが詰め込まれていた。

扉の真正面の奥に、大きな窓。


そして、その手前にある一番大きなの机に座って、煙をふかしている男がー人。




斎藤一だ。





斎藤は顔をこちらに向けることなく手に持ってる資料に目を通していた。




まさか、俺の暗殺計画の書かれたもんじゃねぇだろうな・・・。



自満じゃないが、もう、俺の頭の中はそれでー杯だ。

今さらどうこうなる問題じゃないが、怖いものは怖い。



俺は、空気を胸一杯に吸い込み、吐き出す。
そして、重くて重くて仕方ない足を一歩ずつ踏み出す。



俺は斎藤の前まで行き、昨日同様、声を掛けた。


多分、若干震えた声で。



「よう・・・。」



・・。




・・・。




・・・あれ?




聞こえなかったのか?




斎藤は昨日と同じように反応がない。


俺がこんなにもビクビクしながら声をかけたと言うのに。




目は書類に向いたままだ。





でも何か・・・動きが、止まった・・・?



いや、もともと動いてはなかったけど。



何というか眼が、止まった・・・?


気のせいか?




「よう!」





俺はもうー度声を掛ける。


今度は、若干大きな声で。



完全に昨日と同じ流れだ。ってことは、次はこいつが悪態をついてくるのか。



そう思っていた。
けど、俺の考えに反して、斎藤は何も発することなくゆっくりと顔を上げる。





そして、必然的に目が合う。

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あきゅろす。
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