小説 十話:級友…じゃない旧友 悪いけど、ここからははしょることにしたからな ? だって全部描写するとなげーもん! …え、だめ? じゃあ最後だけ。 なかなか強かった。もう自分もやられる寸前で、型の一つを思いだし、中段に一本入れたのだ。 その直後自分の腹が蹴り飛ばされたので、ギリギリ俺の勝ち。 5分にも渡る死闘の末に、俺は優勝したのだ。優勝商品はないらしいが。 「いやぁ!大変熱いものを見せていただきました!セグリエス様も満足されたようで、大変嬉しゅうございます!以上でイベントの方を終了させていただきます!ありがとうございました!」 カリエスさんの声が響いて、拍手が起こった。すごい歓声だ。めちゃくちゃ盛り上がった会場の客たちは、また各々動き始めた。 「フレイドくん、お疲れさまでした。大丈夫ですか?」 「まあな、お互い本気じゃなかったし…」 その時、トントン、と肩を叩かれて、 「フレイドお疲れ!すごかったよ!」 「シュードくん、お久しぶりです」 「あれ?お前入れたのか?」 前に聞いたときは、身分が低すぎて入れない、とぼやいていたが。 「うん!師匠のコネで入れてもらった!その代わり明日から3週間休みなしだけどね!」 「へぇ…3週間って大丈夫かよ?」 「もちろん!ヤバいよ!」 相変わらずの元気&天然だ。 三人でしばらく一緒にいると、カリエスさんが近づいてきて、 「セグリエス様がお呼びです…お友達ですか?」 「はい、彼もいいですか?」 「あなた方のお友達であるなら…。セグリエス様も喜ぶでしょう」 三人で人混みをかき分けて、王子のもとに向かった。テーブルの料理を、ナイフとフォークで器用に食べていたが、こちらに気づくとたちまち笑顔になった。 【*前へ】【次へ#】 [戻る] |