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さぁ、思う存分
「あーあ、団長の所為ですよコレ……」

四方八方グルリと凶悪な顔付きをした天人を一瞥すると、阿伏兎は呆れたように緩やかに光る金髪を掻いた。
対する神威は平然と何時もの笑顔を絶やさずに、目の前に広がる殺気にケラケラと阿伏兎を見る。

「あははっ、阿伏兎がヘマするのが悪いんだろ?」

「おいおい……冗談じゃねェ。押すなって言ってんのに、わざわざ罠押したアンタが悪いんだろが」

「阿伏兎、押すなって言われたら押したくなるのが人間って者なんだよ」

「人間じゃなくて、アンタは夜兎でしょーが」

あまりにも緊張感の無い会話が、殺気立った敵陣の中心で行われている。現状を簡潔話すとしたら、阿伏兎と神威は任務をこなす為に攻めいった館でワザとらしく「触れるな危険」と赤文字で書かれたボタンを見つけ、嫌な予感しかしない阿伏兎の言葉に耳も貸さずに神威はボタンを叩き割ってみせたのだ。

……そして、今に至る。

突然抜けた床に、避ける事も無く地下へと落ちた二人を待っていたのがコレだった。

「見張りも居ないと思ったら、片付け易いように固まっててくれるたァな」

今にも飛びかかって来そうな敵は、裕に百を越えているにも関わらず、余裕綽々に二人を笑わせるのは、やはり夜兎の血なのだろう。

「やっちまェエ!」

なんて雑魚い雄叫びが、ゴングを鳴らした。同時に番傘を構えた阿伏兎の視界からピンク色……神威が消える。

「……団長?」

突然視界から消えた神威に、まさかまた落とし穴にでも落とされたんじゃなかろうかと思えば背中に感じる熱。振り返らなくてもわかる見慣れた気配。

「ねぇ阿伏兎、背中合わせしようよ」

それつまり、互いの命を預け合う事。

「……間違っても、俺に攻撃仕掛けないでくだせえよ?」

驚き振り返りたい衝動を押さえると、ニヤリと笑って目の前の天人を凪ぎ払い、頬に飛んだ返り血を拭った阿伏兎が告げる。

「うーん、保証は出来ないかな」

手刀で天人の喉をかっ開き、噴き出す血を雨の様に浴びた神威が手に付いた血を舐める。

──アンタが預けてくれるなら、全力で守ってやりますよ。

刹那、前方に降り下ろされた二つの番傘を伝う赤い液体。
背中合わせに笑う二羽の兎の、なんて美しいことか。






『さぁ、思う存分死合おうか』
背中預けると言う行為に見えた、信頼されている事実を胸に。



─────

cgcg
あれ、何が書きたかったんだったか…忘れた。
まぁ、背中合わせさせたかっただk((ry
わかりにくくてすいませぇえん!

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