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蝋燭と暗闇
「阿伏兎、一緒に寝てあげようか?」

「一人で寝ろすっとこどっこい」

 夏の暑さと湿気が戦艦内を包み込んだ、最悪な日だった。
 時刻は丁度真夜中の二時。何時もは団員達の騒ぐ声や、船の動くごわんごわんというエンジン音が響いている第七師団の廊下は、今は団員の影は一つもなく煩いエンジン音でさえ近くの無人の星に停留しているこの状況ではその音を止めていた。
そんな中、団長室と札の張られた部屋に、おどろおどろしい音を発して光るテレビを見詰める影が二つ。

 一人は頭から毛布をかぶり、もう一人はつまらなそうに欠伸を零していた。
 いうまでもなく、神威と阿伏兎その人である。
 
 「大体、アンタが怖い話が始まるから 見ようなんて言って気持ちよく久々の睡眠をとってた幼気な部下を起こしたんでしょーよ」

 「阿伏兎が暑い暑い言ってるから、涼ませてあげようって団長様の気遣いだよ」

 「叩き起こしたくせに、よく言えたもんだな」

てっきり、この手の話は大丈夫だと思ってたんだがな……。

 そう思い隣を見遣ると、テレビの中で女の顔がアップになった瞬間肩を跳ねさせ顔を青くさせた神威の姿。
 面倒がって布団から離れなかった阿伏兎を容赦なく蹴落としたそれとはまるで別物であった。

 「……おい、団長」

 「な、ななんだよ阿伏兎?」

 後々言い訳をするのなら、“何時もと違う反応が見たかったから”だろう。
 物語も九十九話目になり、CMに 入ったところだった。シルエットの三人組が爆音とともに現れ、バックには万事屋金良ちゃんとロゴが入っている。
 何所かで似たような名を見た気がしたが、はて。どこだっただろうか?
 
 「……右肩、なんか白いモンg「うわぁぁぁあああ!!」

 ゆっくりと神威の右肩を指さし、あくまでも無表情にそう告げようとした矢先だ。聞き終わる前に大声で叫んだと思えば、阿伏兎めがけて神威は突進、追突していたのだ。

 「うぉ、!」

 驚いてバランスのを崩した体に馬乗りになり、厚い胸元に焦った様に顔をうずめる。焦ったのは阿伏兎の方である。
 
「ちょ、あぶねぇだろうがすっとこどっこい!」

 「やだ、阿伏兎何が居んだよ言って……やっぱ言わなくていい言わないで! 」
 
 「どっちなんですかねェ?」
  
 困ったなと眉を寄せると、阿伏兎はひとまずその背中を撫でた。怖がりだとは思っていたがここまで反応するとは……。
  
 「……団長」
 
 「うるさい黙ってろ髭面」

 「地味に傷つくんですがね……なぁ、おい」

 「もう、なんだよ!」

 「嘘ですよ、悪かった」

 「……は?」
 
その一言に凍りつく空気と笑顔。
  
 「右肩にも何にもいないんで、安心してください」

「……嘘?」

 「……おぉ」

 「……ぶとの」  
 
 「……?」

 「あ、ぶとの……阿伏兎の」

 次の瞬間。
 館内に響いた鈍い音と阿伏兎のばかぁぁぁと言う悲鳴が艦内に響いたことは……誰も知らない、だろう。

蝋燭と暗



翌朝。痛そうに頬を押さえた阿伏兎と、その隣を不機嫌そうに、しかし決して離れることなく歩いていた神威を見た団員がいたそうな。











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むちゃくちゃ走り書きのリハビリ。
文章書けなくなりました/(^o^)\

お題ください、


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