短編
2
でも俺の隣の席でじゃれてる2人は互いにそーゆー呼び方してる
当たり前のようにしてるから
周りも当たり前のように受け止めて
からかうようなことはしない
だからと言ってホモなわけでもない
じゃれてる2人のうち1人は彼女と付き合ってもう二年たつし
もう1人は最近喧嘩別れてして、やり直すかやり直さないかで揉めてるのは有名な話
ホモってからかわれずに仲良くできるって凄く羨ましい
この2人は一体どーゆー経緯でそんなあだ名で呼び合う仲になったのか気になる
その経緯をぜひ聞かせて欲しい
そして俺がそれを前の席で本を読んでる恋人に実践したい
周りに変に思われたくないからって学校では絡んでくれない恋人
たまに暇な時に足を伸ばして椅子の底を蹴り上げてちょっかいかけると凄く怒ってくる恋人
あー、俺も恋人とじゃれ合いたい
あだ名で呼びあいたい
まぁ、あだ名を考えられるほど俺頭よくないけど
でも呼んでみたいから
___ガンッ!
「おい!マサヒコ!!」
椅子の底を蹴って恋人をマサヒコと呼んでみる
「誰がマサヒコだ!!!」
ビクっと体を震わせてからすぐに上半身だけ軽くねじって振り返り怒鳴りつけてくる俺の恋人
ニヤニヤしながら見つめると
「なんなんだよ」
困惑した声をだして、こちらを振り返ったままパタンと手で本を閉じた
「マサヒコって、俺のペットの名前」
「はぁ?なんでペットの名前呼びながら俺の椅子を蹴るんだよ!!!」
「俺のペットハリネズミなんだ」
「だからなんだよ、」
「機嫌わりーと針が立つの」
「・・・」
「お前そっくり、
性格がひんまがってるところ」
ぎゃはははと笑い出すと顔を真っ赤にさせて体ごとこちらに向けて文句を言ってくる
____でも、なぜか愛おしく思ってしまう
そんな所も似ている
顔を寄せて軽く囁くと
照れ隠しのように頭を少し叩かれた
椅子を蹴れば振り返ってかまってくれる君
_______________
呼び名なんてなくても、君は振り返る
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