深夜弐時、 眠い目を擦りながら、只管画面の向こうを眺めていた。 何も変わらない日常。 そんなのが毎日、毎日、 いい加減、ウンザリしていた時だった。 薄汚れたブラウン管の向こうに、 安っぽいコートに派手なハイヒールの女が映し出された。 べろべろに酔っている所為か、足取りが覚束無い。 ショルダーバッグは体の前に垂れ、 乱れたコートからは肩が剥き出しになっていた。 突然、女が床にぺたりと座り込んだ。 両手は後ろに、足は前方に広げて投げ出して。 この小さい画面からでも、 結構顔立ちの整った女だと判った。 すると、女は突然、 自分の右手をスカートの中へ潜らせた。 苦痛にも似た様な表情を浮かべながら、 自分の中を必死に弄っている。 時間が経つにつれて、腰の動きも荒くなってきた。 コートはますます乱れ、 黒のガードルの内側も 妖しくてらてらと艶めいていた。 画面を見て堪らなくなった私は、 警備服のベルトを弛め、 雄々しくそそり立つ其れを、 無我夢中で激しく扱いた。 ちり紙を取ろうと、改めて顔を上げた時、 自分の前で、 監視カメラが、此方を見ていた。 [前頁] [戻る] |