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ブリキ少年と死神と魔女の少女
:3−2



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俺は決して力が強いわけではない。
戦闘能力は、通常の死神が持っている力の半分にも満たない程度で、どちらかというと人間寄りに出来ている。
だからと言って非力というわけでもない。
それなのにも関わらず、俺は死神を“食う”という行為をしてきた。
これを始めたキッカケは自分でも知らない。推測だが、奪われたモノを奪った相手から盗(と)ればいいと考えたのではないか。
世の中を理解し出した今では、それを子供の考えそうなことだな、と思う。
9年前の俺は、こうなることを考えていたのだろうか。
…いや、きっと考えてすらない。
生きることに必死で、ただ貪欲に貪り食ったのだ。
自らを生かすために、肉体的にじゃなく、自我を保つために。


そのせいで、稀にカラダが勝手に求めてしまう。
誰かの声が頭の中で響くかのように、目の前にある躰を突き破れ、貪り食え、と。
言ってしまえばそれは動物の本能でしかなく、俺は理性が備わっている【人間】(?)かもしれないのに、オカシナ話だと思っていた。
今でも思う。
ふとしたときに死神の臓器を求めて、酷く喉が渇いて仕方がなくなってしまうから。
本当は何者なんだろうと、心の片隅で疑問が渦巻いていた。





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