捨てられぬ恋心 、完
好きなんだ 。
「 俺が灰吏を振ったのには訳がある 」
「 わ、け..? 」
真面目な顔をして喋りだした綺羅。
「 ああ、まず1つ目はお前を守るためだ 」
「 えっ.. 」
「 んで、2つ目転入生、内騰朝陽を監視するため 」
..え?
綺羅の発した言の意味が分からなかった。
「 意味わかんねえ、て顔してんな 」
くっく、と笑う綺羅に
ドキッ、と胸が高鳴り
思わず顔を真っ赤に染めた。
「 ふっ、灰吏 」
「 な、なんだよ 」
「 俺ともう一度付き合え 」
へっ..?
「 あ、否定権なんざねえから 」
綺羅の発した言葉にかたまっていると
ちゅ、と鼻の頂に口付けて
綺羅らしい言を言った。
「 で、でも朝陽くんはっ..? 」
「 あ゙?ちっ、あいつの名前なんざ聞きたくねえ 」
綺羅は低く唸るような声音で
喋りながらおれの首筋に顔を埋めた。
「 あの野郎のことはもうすぐ解るから
灰吏を振った詳しい理由も、な 」
あまりに真剣な声で云うのだから
綺羅を信じてみようと思い
こくん、と頷いた。
「 ふっ、もうぜってえ離せねえから 」
それからおれ達は抱き合った後
学校を早退し寮に戻りお互いに求め合った。
綺羅の言っていた言が
次の日に明らかになることなど
こ時は知らなかった。
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