[携帯モード] [URL送信]
「……与えるとな、爆発する。」

「セシル…。」
「ごめん、僕も実際の誕生日は解らない。だけど、僕は陛下に拾って貰った日だと、思ってる。」

意味を察したセシルがフォローを入れた所で、ローザもその意味に気がついた。

「そう言う考えも有ったんだな。」
私は、自分の誕生日が解らないなら人の誕生日にまとめて祝いなさい。って、言われてた。二人一緒なら、尚楽しいだろう、と。解らないから祝わないじゃなくて、誰かと一緒に祝えばいい、と三番目の奇術師-Maniac Replica-の団長…いや、シュトラールが言った。

「おかげで、私は人の七倍誕生日会をしたがな。」

下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、なんて言うからな。…よかったな、セシル。いい人に拾われて。

「なら、私も今度からその日でいっか。」
「そんな適当でいいのかしら。」
「良いんだよローザ、年齢なんてただの符号でしかないし、多少ズレても私は私だし。」

サメラの目は、泣きそうな青はなく、澄んだきれいな青がそこに有るのだった。そう言い切るタイミングで、カインが乱入してきた。会話を聞いていた様子で、なにも言わず両者睨んだままだ。

「ほんと雑多。」
「そんな雑多と籍をいれたのは誰だったか…んで、はい。」

投げるように、カインの手に乗るのは、小さな包み紙。拙い文字のおめでとう。はサメラの文字だと理解した。

「食い物は痛めたから、変わりな。三番目の奇術師-Maniac Replica-時代に使ってた武器だ。すこし、魔力を与えることな……」

そう言われて、カインは包み紙を開ける。ガサリ、と音の中にあるのは小さな金の輪がついた装飾品だ。言われた通りに魔力をすこし込めてみる。

「……与えるとな、爆発する。」
「は?今、魔力込めたが…なんて言った?」
「カインの半径一メートルが爆発する?」

ほら、光ってるだろ?とサメラは悠長に構えて笑った。ざっと見積もっても五メートルを超えている。さすが、国王宅。

「爆発するー!」金の装飾品が言葉と、光発ぜて、熱が舞う。カインの視界が白に染まってもまだサメラはケタケタ笑っている。「私からのプレゼントさ。」なんて言葉と共に、光が止む。

「私からはな、伸縮する槍だ。殺傷力はあまりないが、強度面では三番目の奇術師-Maniac Replica-の武器屋ドンダーさんのお墨付きさ。」
「……サメラ、お前!」
「忘れるほうが悪いんだよ。」

2010カイン誕生記念。


[*前へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!