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今日、あの伴侶は仕事が終わらなかったらしく帰ってこなかったので一人でベットに入る。シーツにくるまりながら、ベットの広さに気づく。
…いつから、これだけ腑抜けになっていたのだろうと小さく零しながら目を閉じて、そういえばセシルが昔はリディアに魔法をかけてもらいながら寝るぐらいまともに寝ないのにさ。と言っていたのを思い出して、ふと自分が弱くなったような気がした。
どうして、こうおもってしまうのかと勘ぐれど

まどろみ独特の暖かさに包まれて波に揺られるような感覚が支配していた。甘んじてそれを受け入れてしばらくしていたら、近くで衣擦れの音が聞こえて、意識が浮上して目を開く。目を開けるとすぐそこでカインがこちらに手を伸ばしているのが見えた。目を開いたことにたいしてか、カインは驚いた様子で手をすぐに戻した。

「…おかえり」
「起こしたか?」

大丈夫、飯食ったか?と問いかけるが、いやもう寝る。と言って、隣に入ってくるのでスペースを開けるために寄る。カインの重みでベットが沈む。寒いと言いながらカインはサメラで暖を取るために抱き寄せる。鎧を着てるわけでもないので当たって痛いこともないのでサメラはされるがままに寄る。それが不審に思ったのかカインの声が降る。

「…なにかあったか?」
「しいて言うなら、ベットが広く感じてた。」

今はそう思わないから、もしかすると淋しかったのかもしれない。と告げてカインをそっと見ると、赤い顔をしたカインがそこにいた。サメラはこてんと首をかしげた。

「どうした?熱か?」
「…お前のそういうところがほんとセシルに似てて嫌になる。寝ぼけてるだろ?」
「どこが?あのまま飛び起きて魔法を放つ準備までしてたんだが…」
「俺を殺したいのか?もういいから、黙って寝ろ。こうしてたら淋しくないだろ。」
「…ん。」

カインの腕を枕にしてそのまま眠りにつく。何か耳元で聞こえた気がするけれど無視してサメラは眠る。
翌朝、カインに腕が痛いとぐちぐち言われるのは別の話。



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