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とりあえず、もう一度ドアを調べ、忍術をしてまた探すようにしよう。もしかすると、ドアの向こう側で誰かが抑えているのかもしれないのだから。
ドアを前後に揺らせども、動く気配は無い。「壁抜けの術!・・・これも不発か。」沈黙呪文を施されているのか、魔力が無いのか、魔法が無効化されたなにかがこの部屋にあるのか。それを解く必要があるのか。分岐点は数多にある。「・・・壊せるところを探すか。」と放ち、どうやら彼女は破壊する方法を選んだようだ。きっとどこかに壁の薄いところがあるのかもしれないと淡い期待を抱いて、カツカツと扉を叩き始めた。音にも触った感じにも変化がなく、次の壁に手をかけると違う音がした。薄く四角い溝がついていることに気がついて、破壊。

一つ穴を開けて、めくってやればそこに一つボタンがあった。何が起きるのだろうと身構えつつもボタンを押した。歯車の動く音とともに通路がまた開いた。

「…あー。セシル・・・だな。この一旦は」

通路の先の部屋を見て、サメラは絶句した。どう、こうも。見つけたくないものばかりを見つけてしまうのだろうかと。本気で後悔した、双子の片割れは自分の伴侶よりも片割れであるワタシのデータ部屋を設立してしまったようだ。
なにをどうして同じ顔の写真をはれるのか、気になるのであった。

「・・・やはり、ドアから攻略していくか。」

蹴り飛ばしても、何をしても動かなかったドアだがまだ一つとっていない手段を思い出した。エブラーナ式の扉だった場合だ。バロンやミシディアなど万国共通は押したり引いたりする扉であるが。独自の成長発展をしたエブラーナのドアは横に引くとびだらったのを思い出した。ガラガラと横に引くことをしていなかったのだ。
もしかして、と淡い期待を抱いて。サメラはその扉に淡い期待を抱いてドアを横にスライドさせた。

・・・ドアだった・・・

見たくも無い現実を叩きつけられて、サメラはがっくりと頭を下げるのであった。アイツ・・・こんなことに無駄な知恵をつけやがって・・・腹に収めながら、サメラの脳内でセシルをどうするか判断がつけられていった。
彼女・サメラがこの部屋一連から出れたのはその日の夕方であり、仕事を一日ほったらかしになっていたことが、サメラの顔を真っ青にさせるのであった。 

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