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頭が痛い。痛さに目を覚まして、サメラはゆるゆる瞳を開いた。見知らぬ天井に繭を潜め、ここはどうしたとサメラを頭を捻った。
周りにも誰も居ないし、よその家のようにも見えるので、魔法も控えておくべきだろうか・・・どうせ、治せばいいんだもんな。と場所把握の為にドアの前に立ち、指を正面のドアへ指して、一息。

「フレア!」

・・・あれ?いつもなら指定先に光の熱線魔法が弾けるはずなのに、奇妙に思い指先を見た。指先に赤い紐が結ばれていて、特殊文字が書かれているのに気がついた。
文字にも魔法が宿るための特殊な文字であるが、この文字は何と読むのか分からないが現状を見ると、魔法防止か魔法吸収かどちらかなのだろうか、とぼんやり考えた。紐をはずそうとしても難く結ばれて取れも出来ない。

「…」

取り合えず。ドアが開かないことを確認する為に、ドアを前後に揺らしたが開く気配は無い。窓もないし、壁の薄いところを探し出して破壊するのもありかもしれないな。とぼんやり思いいたる。が、これ、何の為に私がここにいる?誘拐か?誘拐しても意味が無いし、とりあえず。ここを出る為に何か探さなければとサメラは他人事のように感じた。

「とりあえず、片っ端から探すか。」

花瓶をどかしたり、人形を振ってみたり、鍵穴らしいものがいくつか見つかったが、鍵は見つからない。本棚の本もすべて探したが仕掛け棚になってる気配も無く、頻繁に触られた後も、物が動いた後も無かった。
しばらく探して、得た結果は3つ。小さなボタンが4つついた機械と、板きれとメモが一枚。
「ここから出てね。セシル」と書いてあったメモ。・・・お前か、セシル。結構な殺意が沸いてきた。ここから出たらシバいてやる。心のそこで、決めた。

「・・・で、ここからどうしろと。」

ヒントもなしに、どうやって出ろっていうんだ。・・・壁抜けの術・・・いや、あれはまだ習得していない。・・・どうしろっていうんだ。頭を抱えて、サメラは床に崩れ落ちた。
魔法は使って無駄だったが、忍術ならどうなんだろう。ヒントもなしにやるほうが無駄だ。

「畜生。終わらん。」

肩を落として、下を向けば床板に奇妙な凹みを発見した。指で押し開けてやれば奇妙な仕掛けに気がついた。何かをはめ込むような形である。・・・さて、どうしようか。もっと細やかに探すべきか、それとも先にドアに向かって出来るかわからない忍術をしてみるべきか。



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あきゅろす。
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