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「セシル。俺も手伝うから出てこい。」
この状況をどうするか、悩んだカインは一つの突破口を思いつく。何をどうしてもどちらかはグチグチ言われるのは見えている。だからこそ、カインは意を決した。

「セシル。俺も手伝うから出てこい。」
「そうそう、カインも…っておいっ!。」
「このままで、埒が開かない。それに俺もサメラのなら見たい。」
「おい、カイ「サメラ。サメラならそう言ってくれると思ったよ」…お前は人の話を聞け!」

バーンと扉を蹴破る勢いのセシルがサメラに抱きつこうとするのをモロに喰らい、一瞬意識を飛ばしかけたものの、なんとか取り直し、声を張り上げる。

「サメラなら快諾してくれると思ったんだよね!」
「まだ了承すらしてないっうの!」

儀式なんて真っ平ごめんだ!と逃げだそうとした刹那、カインに外套を掴まれ、逃げるのを阻止された。

「カイン、お前って奴は…!」
「諦めろサメラ。」
「裏切るのか何度目だ!」
「まだ2度目だっ」
「まだ裏切るつもりなのか!?お前は次は誰を裏切るつもりなんだ」

がなるように怒鳴り声をあげたサメラの視界が白に包まれる。爽やかな気品あふるる香は高価な物だ。そしてそれが何か理解した。

「サメラ、やっと僕の希望を飲んでこの…「着るかぁああっ!」」

セシルの熱い包容を拳ひとつで剥ぎ取って、サメラは一目散に逃げ出した。戦う武装をしてないから、身は軽く早い。

「セシル。」
「うん、カイン」

捕まえるぞ。と国家を巻き込む一騒動になるのであった。

「次にバロンに何かあったら、絶対に救ってなんかやるものかっ。」

雄叫びを交えながら、廊下を走る。足音はまだ遠いし二人分聞こえる。まだ大丈夫だ。と足を遅めて歩いていくと見慣れた仲間の姿が有った。

「あらサメラ」
「ローザ。」
「はい、スロウ。サイレス。」
「へ…ローザ?」

捕まえたわよ。なんて言われて全てを理解した。

「セシルから話は聞いたわ。サメラならすっごく似合いそうね」

似合うか。と反論をしたいがあいにく、サイレスを施されて発言権さえも許されず、無詠唱でエスナをしてもスロウのせいで時間がかかる。ズルズル引き摺られ、御子として役目を果たさせられたとか。
喜々するセシルと涙するサメラと、相反する双子がみられたのであった。




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あきゅろす。
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