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「どこって?ここ?」(1/1)
「ね。サメラ」
「カインの事どうおもっているの?」

一緒に寝屋を共にするコスモス戦士の女子テントで寝袋に包まり川の字よろしくで眠ろうとしていたときに、声をかけられて意識はそちらに向いた。どう思っているも何も、夫婦で過ごしていたし、寝食をともにし、生きていた。彼とは犬猿の仲であり無くせば痛い半身となっている、蒼鉄色の鎧をした竜騎士は、私と同じ世界から来た伴侶だ。

「…カインと?」
「そう、なーんか、仲いいなーって。」
「まぁ、結婚してたからな。アイツはあんまり戻ってないみたいだから黙っておこうと思っているが」

戦うたびに記憶がよみがえってくるなんて、どういう仕組みなんだと、毎回を経験しているサメラは、そんな考えを飲み込んで、サメラが口を開いた。

「いや、別にどう思っているといわれても。」

困ったような口調は、尚も言葉を急かさせて、うーん。と頭をひねる。これは、はっきりいっておくほうがいいのか?夫婦でしたー。なんて軽いニュアンスで言える口は残念ながら持ち合わせていない。…夫婦。という単語に、妙な言い難さと恥ずかしさ。そして、家族という名の枷の重みを覚えた。

「…ところで、ライトニングは?」
「さっき、今後の確認をしてくる。って男子テントの方に向かっていきましたけれど。大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だろう。セシルも向こうにいるし、ライトニングなら、普通に天誅を加えれるだろうが。」

ユウナやティファなら、どうにかしにいくべきだが。気にしない。という口調を放ちながら、なんでもない、といわんように、背中を向けた。

「ほーらー。子猫ちゃーん。もっとしゃべろうよー!」
「…待て。」

子猫ちゃんと呼ぶ知り合いは一人しかいないし、そのやつは男だと、あなたは知っている。眉間にしわを寄せて、顔だけ後ろを振り返る様に見れば、銀色の男がそこにいた。銀はセシルの色だが、もう一人いたな。と記憶からよみがえらせて、その男の名を呼ぶ。どういう心境だ。クジャ。にらみつけてやれば、けろりと一言放たれた。

「小鳥ちゃんたちの寝顔を見にね」
「来るな!阿呆」

お前が来るとややこしいんだよ!いろいろと!暴言交じりに誰かを呼びにいこうとしたら、腰を抱かれ、クジャの上に座り込む形をとられ、動こうにもサメラの体の小ささが、ちょうどクジャの中に納まった。

「おい、クジャ!離せ!」
「で、サメラ。あの、カインて奴。どうなの?」
「お前まで!」

セシルにえらい目に合わされろ!と心のそこで野次りながら、クジャの腕の中で暴れる。

「結構、サメラと仲がいいのが妬けるんだけど。」
「お前に、妬かれてたまるかぁあ!どこ触ってんだ!馬鹿!」
「どこって?ここ?」
「ひぁあ!」

そんなとこいえるか!馬鹿野郎!声色の上ずった声を聞いてか、ライトニングたちが、テントの中に帰ってきて、そんな光景を目の当たりにする。数十秒前の話。




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