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汝、病める時も。健やかなる時も。
僕はシュトラールさんに言葉をもらいました。
私はセオドア坊やの代わりにはなれない。セオドア坊やは私にはなれない。代わりがいないから、血に誇りを持ちなさい。父や母に、跡目を感じるな。誰もそんな事は思ってない。
確かに、団長。もといシュトラールなら言いそうなセリフだ。

「…前を見て進むか。」

すべてを受け入れて、真意にこたえようとする姿は騎士に近いものがあるが。…お前は、進むべき道があるから、そう答えられるのだろうな。仕方ない、お前のようにすべてを受け入れてみようじゃないか。

妙に気難しい新しく出来た家族も。
今も頑なに拒んでくる異文化にも。
奇異の視線を今以上向けられても。
不思議な片翼の思考理念自体でも。
今後自分を縛り続ける役職の鎖も。
自分自身がどう向かって行き先も。

「受け流すことをやめて。前を向いてみるよ。」
「サメラさんには部隊長もいるんですから。ほら、病める時も健やかなる時も。ですよ!」
「…ばっ…!。馬鹿、お前。大人をからかうな!。」
「顔、真っ赤ですよ。サメラさん。」
「赤くない!」

汝、病める時も。健やかなる時も。

(おーい、旦那ァ、速く帰って来てくれ!今すぐにだ!)
(もう、ほんと父上と似てますね!)
(言って悪いが、私とお前の父上が双子だから、お前は私にも似てるんだがな!。)
(でも、部隊長と、サメラさんについて話をしてたら、部隊長もおんなじ表情になりましたよ。)
(あれだ!旦那も、お前の親父さんと親友だからな!同じ鍋の具材をつついたから余計じゃないのか?)
(ほんと、照れてるのがわかりやすい人ですね)
(セオドア。速く帰れ!じゃないと、私は今すぐに旦那に絶縁状を叩きつけてくる)
(のろけちゃって)
(惚気てないっ!むしろ呪ってやる!)
(私に振り向きなさいって?)
(…セシルーっお前の息子はどうなっているんだ!反抗期か!?思春期か!?)
(反抗期は父上にも母上にも関係ないですがね!)
(おい、セオドールお前の甥っ子はどうなっているんだ!)
(そんな月に向かって叫ばないでくださいよ。近所迷惑ですよ。)
(お前が言うな!セオドア!)



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あきゅろす。
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