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皮切りに会話が始まる。
「あっらー不和さんお久しぶりー。あなたをよくいじめる女子生徒ですー」
「どーも、」

あんたらはどうせ見下すことしかできない癖に。なんて心の隅でぼやく。

「最近みないんだけどー?生きてる?」
「…」
「なによ!無視して孤独ぶって!悲劇のヒロインでも演じたいの?」
「……思いたいなら思えば?」
「…!」
「言いたいなら言いなさいよ、なに?」

いつもみたいに、姑息な手段しか使えないあなたたちに何かできないのかしら?ま、弱虫だものね。今まで真剣に命かけたことあるのかしら。しれっと口からでる言葉に自分でも驚く。まさか、こんなにも饒舌に話すと思っていなかった。

「あんた、勉強しか友達いないんじゃないの?空気みたいなあんたが生きていても価値無いんじゃないの?速くいなくなればいいのに」

あんたたちは何を思って言っていたの?とても自分から出たような声ではない、まるで誰かに操られているような、ぼやけたフィルターの向こう側にいるようにも見える。

「あなたたちはそう、言った。私の気持ちも無視して、」
「…なによ…」
「何その銀髪。鉄みたいで重っ苦しいわね!なんて言われた日もあったわね。」

言い返してやる。
自分の中の何かが抑えきれずに、零れていく。

「なに、あなたたちの髪の色、薄汚れた犬の毛みたいな色して。泥臭いんじゃない?」
「あん…た!」
「なに、殴るの?」

胸の中に冷たい水が流れ込むように、自分の中の感情が一気に冷えていく。

「い、行くわよ!あんたたち」
「そうね、こんな変な奴構わないでおきましょう!」
「はいはい、じゃあね。」

適当にあしらって、自分の席に座る。今の冷えた感情は何だったのだろうかと、自分の席で考え込む。

「ね、はじめちゃん。」
「うん?どうしたの木野さん」
「今度の休みピクニック行かない?」
「ピクニック?いいね、おべんとうつくっていくから、何人分いる?」
「いや、衛さんがね、つくるっていうんだ、だから必要ないよ。」
「木野さん甘いわね」

参加者は必然的に月野さんが来るのでしょう?なら一人分では足りないわよ。あっはっは!いつも月野さんあたしの分も食べてるんだもの!足りるわけないじゃない。

「うさぎちゃん、いつも…?」
「よく食べるのよねーあの子。」
「もうっ!仕方ない!あたしたちも作るか!」
「休みの日に木野さんの家に行くね。」

軽い口約束を交わして、帰宅の準備を始める。お弁当なににしようかな。なんて思い浮かべながら。帰宅途中に火野さんと出会って、この間のピクニックの話に進んだ。

「この間ありがとう。はじめちゃん料理上手なのね」
「どういたしましてー。」
「でも、遊びに行くのにサンセットライダーは携帯しないの。」
「あれないと、変身できないし、日ごろ身につけているの」

なんて皮切りに会話が始まる。




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