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「それは、貴方達が生んだ奇跡。」

終わる日であり、始まる日。
そして、
彼らの最後の日。
夢を持つ彼らの新しい日。

そういえば、ペガサスの頼まれ事も満足にできていなかったか。ごめん、なんて思いながら敵の正体を真剣につかみださなければならないかな、と思い始めたりする。真剣に対策も対応もしていかなければ、結構ヤバそうな気もする。前世の記憶も最近は教えてはくれない。買い物帰りに、面倒だなぁ、漏らしながら街中を歩く。公園を抜けて、スーパーの前を通って公園を抜ける…え?悲鳴?聞き覚えのある声に肉体反射で勢いよく飛び出して、目の前を確認した。月野さん!あんた何、ひかかってんの!叫びだしそうだったが、この現状無理だ!

「…あんた、この間の自転車娘!」
「げ。ホークスアイ。」
「待って!その子は違うの!」
「どういうつもりフィッシュアイ?」
「やめなさいホークスアイ!セーラームーンを離して!」

ちょっと月野さん正体ばれてるじゃない!何してんだあんた!現状何が起きているのかもうしっちゃかめっちゃかでわからない。何がどうでどうなっている?あんたたち仲間割れか?突っ込もうにも突っ込むすきがない。影がひとつ不規則な移動をして、影から一体レムレスが出てきた。

「どうも!お初にお目にかかります、わたし、ミスターマジックピエロ!」
「あのー、もしもし?」
「ジルコニア様から、不要なもの処分しに来ました!」
「もしもーし?」
「さぁさぁごらんください!」
「人の話きかんかい!」

変身前に一発発砲すれば、四つの目がこっちを射抜いた。怯んでる場合じゃない。守らないと!

「オジョーサン、今日はなんの用事で?」
「あんたたちが問題起こしてるから、成敗しに来たんです!セーラーエリスパワー!」

まばゆい光に包まれて、変身を終わらせる。うわ、この間の自転車娘セーラー戦士だったのね。と聞こえてきたが私はあんたたちの正体をもっと昔からしっていたっつうの!「セーラー戦士も不要ですからねー!さっさと処分しますよー。ごらんくださいこの帽子からハトが出ますよー。」のんびり声のピエロが攻撃を放つ。地をえぐり、旋回し二手に分かれて片方はホークスアイたちに、そして片方は此方に向く。すかさず自分に向くほうは撃ち落としたが…。

片 方 は 月 野 さ ん の ほ う に 向 い て 飛 ん で 行 っ て 夢 の 鏡 を 壊 し た 。

なんてことだ!こんなことになるなんて、未だかつてなかったのにどうしよう、守るとかいいながら守れないのがどうしよう。ほんといったいどうしよう。思考が堂々巡り終わりが見えない。修復する方法よりも、今は仲間に連絡を入れるほうが先か、この状態を打破するための策を練らないといけない。

「セーラーエリス。しょうがないわ!いったん手を合わせましょう!」
「あんたたちが、問題を起こしたんだからね。月野さんの鏡治す方法有るんでしょうね」
「勿論!」
「…戻らないなんてことがあるならば、あんたたちも撃つからね。時間稼ぎはするが、そのあとは任せた。」

それだけ念を押す。申しでてくれたのだ、十分だ。

「オジョーサン、」
「黙れよレムレス。」

中の何かがぷっつりと切れた、何を考えていいのかも、何お思えばいいのかもわからないから、思うがままに動こうと思う。サンセットライダーを銃から盾に変えて。

「オジョーサン、プラチナミラーを御存じないでしょうな?」
「プラチナ…?白銀。」

白金(はっきん、Platinum、?)は原子番号 78。元素記号はPt。貴金属元素のひとつ。学術用語としては白金が正しいが、現代日本の日常語においてはプラチナと呼ばれることが多い。なお、白金という名称からホワイトゴールドと混同されることがある。単体では、白い光沢を持つ金属として存在する。化学的に非常に安定であるため、装飾品に多く利用される一方、触媒としても自動車の排気ガスの浄化をはじめ多方面で使用されている。酸に対して強い耐食性を示し、金と同じく王水以外には溶けないことで知られている。鏡の飾りが白金なのだろうか、と思考をこらしている間にもレムレスの会話は続く。「そのミラーには、ペガサスの願いをかなえるための鏡なんですよ。お譲さん知りませんか?」知るか!、飛ばされるトランプ模様の黒い塊を盾がはじくなんとか、というところで、彼らは行動に出たらしく、ちびムーンの声が聞こえた。

「エリスちゃん、ありがとう」
「それよりも、先にやることがあるでしょうが、そっち任せたよセーラームーン」
「そっち、お願いね!」

勿論、というように、サンセットライダーを銃に戻し腰のホルスターにしまう。

「大丈夫、返事をして、フィッシュアイ。タイガーズアイ」
「…ねえ、最後だから教えてあなたのゆめはどんな夢?」
「最後とか言わないで!返事しろ!ホークスアイ!」

お前には礼を言えてないんだ!もう誰も無くしたくない。エナジーを放出とともに、ホークスアイたちに送り込む。それが無駄だとわかってても、やはり行動しないと気が済まない私は熱血もののようだ。「サンセットライダー、力を貸して…!」耳をすませると、向こうも戦闘が終わったようだ。

「エリス」
「もう、いいよ。」
「だめ、みんなで生きるんじゃないの?フィッシュアイ。」
「人間になりたかったかな。」
「タイガーズアイ諦めないで!」

ホークスアイだって、助けてみせる。彼だって、「もう誰も死なないで!」かっこ悪くてもいいから。もう誰も私の周りからいなくならないで。たとえそれが敵でも、仲間でも、消えてほしくない!涙で前が見えないし、エナジーも送っているから今がとてもふらふらだ。でも、立たないと、誰も守れないのはもういやだ。


「エリスちゃん、終わったよ!」
「あの子に言ってあげて、夢、なくさないでって。」

触れていた手が重力に従った。事切れた、青い手は、重力の方向を指さしたままだ。頬を涙が通る、私まだ、貴方達に言わないといけない事があるの。
「ペガサス…おねがい、もう誰も死なないで。」光を放つサンセットライダーが、赤い光を帯びる。光が三つに分かれてフィッシュアイたちを包んで、ピンク色の鏡が出た。

「夢のかが…み?」
「僕たち、人間になれたんだ」
「ありがとう、エリス。」
「ううん。私は何もしてないよ。」

祈ってエナジーを渡しただけだ、だからって人間になれることなんてないもの。

「それは、貴方達が生んだ奇跡。」

エナジーを送り過ぎて意識がもうそこで限界だった。私は抵抗することなく、その甘い闇の中に吸い込まれるように従った。みんなの声を聞きながら、深い闇の中へ沈んでいくのが十二分に理解できた。



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