この中学生体力なさ過ぎて泣ける。 「イタタタタ」 やっぱり筋肉痛か。なんて後悔しながら、お昼休みを迎える。やはり変身して走ったほうがよかったなんて、ほんとに後悔する。腰は痛いし足も痛い。ほんと、この中学生体力なさ過ぎて泣ける。年がら年中変身しておきたいなんて思いながら、お昼ごはんをつつきだす。うん、うまい。箸でつついていると、おなかのすいた音が聞こえた。ジーっと、視線も感じる。そっと、そっちを見ると、えへへへと笑う女の子がいた。黄色の髪をした、おだんごがかわいい。うん。言葉を濁しながら、お団子少女を見てみる。 「…えと。」 「あ、ごめん。おいしそーだなーなんて。思って」 「いいよ、半分食べる?」 「うそ、ほんと!?いいの?」 「はい、どうぞ。」 箸で半分に割って、お箸ごと渡す。おいしそうにご飯を食べる子だなと、簡素な感想を持った。 「名前は?」 「はじめ。不和はじめよ、」 「私、月野うさぎ」 「あぁ、同じ学年の遅刻魔さんね。」 ぐぎっ。と、何か聞こえたが気にしないように、私は話を続ける。 「よろしくね」 「おいしー!これ、どうやって作るの!?」 「どれ?」 これこれ!と、指さしてくれたものを、簡単に説明していく。うんうん。と、うなづいてくれて、ちょっと、楽しいかも。 「こんど、まこちゃんにつくってもらおーっと!」 「まこちゃん?」 「そう、同じ学年の木野まことちゃん!」 「あぁ、木野さん。」 知ってるの〜?なんて帰ってくるから、同じクラスだからね。と返しておく。ぎゃーぎゃー騒いでいると、授業のチャイムが鳴る。あら、時がつけば、月野さんが少し残念そうな感じの声がする。 「晴れの日は、ここでご飯食べているから、時間があったら来てもいいよ。今度はちゃんと分けれるものを用意しおくからね!」 かるくバイバイと、手を振って月野さんと別れる。パタパタ走って教室に入ると、誰もいなくて、移動教室だと理解する。だれもいない教室に入ってきた木野さんを見つけて、駆け寄る。 「不和さん?」 「木野さん。いそがなくていいの?次移動教室だよ?」 「え、ほんと?」 「うん。次家庭科室だよ。授業変更になったの、今日のホームルームでいってたよ」 指さした先の黒板にプリント一枚張られて、移動教室!なんて書かれている。 「ほんとだぁ、忘れてた」 「一緒に行こうっか。」 自分の席から、ぱっと必要なものを引っ張り出して、にっこり笑ってみる。じゃあ、一緒に行こっか。と返事を聞いて。隣に並ぶ。 「木野さんって、お料理とくいなんでしょ?今日、月野さんと話してね。」 「うさぎちゃんね。うん、そうなんだ」 「月野さんに、レシピを教えてあげたからつくってあげてね。」 「もう、くいしん坊なんだから、うさぎちゃん」 「そうね。」 くすくすくす。と笑いあいながら、家庭科室までの道のりを歩いていく。本礼のチャイムが鳴るのはもうすぐ。 [*前へ][次へ#] |