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「だぁれが婆じゃい!」

家の近くのアイスクリーム屋さんが新しく出来たから、お兄ちゃんに言われて買い出しに来ているのだが、うん。後ろがうさぎさんのお友達の大阪さんが並んでいる。月野さん紹介で仲良くなったのですが、あんまり会う機会が無くって、木野さんたちと一緒にいるほうが多いからね。後ろのほうに並んでいるのでまぁ、気にしない事にしたが。金髪男がストーカーしているのが気になった。うん。なーんか、怪しいなぁ。なんて思っておこう。何気ない表情をして、気付かないふりをする。っていうか最近思うんだけどね。天文学的な数字以上の奇跡で敵が十番街に集まり過ぎだろう!って、以前に聴いてきた話だけでもさぁ、妖魔だったりドロイドだったり、ダイモーンもしかり、何だよお前ら余所行けよなんて最近悪態付けそうだ。
っていうか、もう家に引きこもって受験勉強でもしていたい心境だが、ここで返ってはお兄ちゃんの一晩中泣かれるので、どうしようもない。こうなった今私は中学生というよりも主婦に近いだろうか。はぁ。なんて思考をしていた昨日、頭痛の種を引きづりながら氷川神社の階段を上る。招集をかけられて境内をみると、すでにみんな集まっている。とりあえず、一言詫びてその輪に加わる。

「掃除当番?」
「うん。まぁ、あと頼まれごととかね。」
「あれ?大阪さん、珍しいね。ここに来るのは」
「ちょっと、きいてあげてよーなるちゃんねー」
「ん?」

悩ましげな表情をみていると、なんだか考えてみる。うん。このパターンだと、昨日の金髪か?思考に明け暮れていると、みんなどこかに行ってしまった。どうしよう、うん。はぶられたというか、なんというか後悔しながら、ルナの横に腰掛けてみる。みーんな、なるちゃんの様子を見てに行ったよ。と声をかけてくれた。…ちょーっと、嫌な予感がするからルナに、話の一通りを聞いてみた。うん。三か月の付き合いを求められているだなんて、うん、昨日のストーカー野郎だろうか心配なのでルナと一緒に大阪さんの後をつけてみる。

「大丈夫かしら。」
「誰かと待ち合わせのようだけれども、海野君をまっているのかな?」
「あ、来た!はじめちゃん隠れて!」

そっと、木の影からのぞき見る。相手の顔がよく見えないが海野君ではない事がわかる。って。昨日のストーカーさんじゃないのか?うん。きっちり、見ていたからよくわかるよ。金髪の白色かクリーム色かは夕方なので放っておくが、相手をよく見ておく。うん、叩きこんでおかないとなんか厄介そうだしね。ルナとの会話を流しながら、成り行きを見据えていたが、相手が変身して本性を見せた。ルナに連絡よろしく頼んで変身をする。千葉さんに適当に連絡を澄ましてから言葉を発する。

「セーラーエリスパワー」

感づかれては困るのでかなり小声であるが、手早く変身を済ませて間に立つ。相手が何を望んでいるかわからないので、この場合は大阪さんと敵との間を空けるように威嚇射撃を放つ。

「あんた、何しようとしているの?」
「なによ、このチビッこ」
「チビだと…!?」

頭にきた。人が気にしていることを言いやがってこんのぉ!オカマがっ!イラって来て額の石を狙う様に一撃噛ますと、ぎゃうん!なんて悲鳴を上げる。人の禁句を上げておいて生きて帰れると思うなよ!顔がいいからって何でも許されると思いあがっていたらイテこますぞぉ!っていうか殺す!

「なに、このお転婆!」
「だぁれが婆じゃい!」

撃てば響くこのやり取りを終止符を打ったのはセーラームーンたちであった。うん。来てくれてよかったよ、本気で相手撃ち殺そうか考えていたからね。うん。ちょっとホッとしていると、金髪男が次から次にジャガイモがぁ!って悲鳴じみて言うのが聞こえる。悪かったわね!ジャガイモでなんて舌戦を繰り広げる。

「ジャグラーお手玉子ちゃん!このうるさいのを片付けちゃって!」

男の足元からレムレスが湧く。ジャグラーと言うだけあってジャグリングを披露している。うん、これ戦場に意味があるのかんあんて問いかけてみたくなった。突っ込んじゃいけないのもわかっているのだが。投げられてきたボールも一切合切撃ち落として、一気に変態男に一発決める。

「人のコンプレックスばっかり突いてくれちゃって!絶対しばく。」
「あんたみたなじゃじゃ馬相手にしたくないわよ!」
「だまれっ!」

しなる鞭をひょいと避けて、平然とした顔で交わすさまに男が怒りを覚えているが、構いもせずサンセットライダーをぶっ放す。うん、大阪さんの鏡さえ無事であったらいい。背後のセーラームーンを心配しながら、目の前をどう打破するか考えていると、空が光って白い雲からペガサスがやってくる。白い羽をはばたかせて、此方へやってくる。男はニヤリと笑い言葉を放つ「まんまと思う壺にはまったわね。」背後では何が起こるなんてちびムーンが困惑している。この光景だけを見ているといくらかの思惑が見えた。こいつらの狙いとかが何となく。人の夢に住むペガサスを探しているのだろう。何を求めているかわからない以上ペガサスをどうすればいいのだろうか、思考が迷う。

「ペガサス。戻って!」

撃っていいものかどうか迷うが故に行動を見守ったが、この懸念も杞憂に終わる。閉じられた檻も気にせず空へと羽ばたいていくその姿を見てホッとなでおろす。よかった、なんて思考をしていると、目の前の男がホークス・アイの言うことなんか信用するんじゃなかった!と自分の鞭を折る。…ホークス・アイ。ということは、あと何人か仲間がいるということだろう。うん、今までの経験則だ。自棄を起こした金髪がレムレスに指示を与えていて、レムレスがやたらとナイフを投げ構えた。あれはセーラームーンたちで処理できないだろうと判断に入ってサンセットライダーを盾に変化させて走る刹那、一輪のバラが飛んだ。よっし、遅い!ちょっとぼやくように呟いて、ため息ひとつ。

今回の騒動もまたセーラームーンの活躍でおしまい。心配事は敵のせいでもう心配することはない、よかった。ほっとして、銃を片付けてペガサスが消え去るのを見て颯爽と私は去っていく。




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あきゅろす。
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