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千葉さんに言われて説教タイム二ラウンドが決行されるのである。



空に、きれいな蝶の集まりが見える。もう、動くことさえままならない。私は誰かを守れたのだろうか。鈍る頭の中で、ぼんやり思った。
心が不意に温かくなった。胸の中のサンセットライダーは、私の両手にいつもの銃の形になって其処にある。

「不和さん。よかった!」

愛野さんの温かな腕に包まれる。あぁ、生きているな、なんて思考が走る。少し、泣いているように見えたので、そっと私も腕を回す。女の子らしい香りがする。私は貴方を守れてよかった。小さくこぼすと、馬鹿ぁ、なんて返ってくる。仕方ないじゃない馬鹿なんだから。どうしようもないわ。なんて皮肉を返せば、後で説教なんだからね。と背後で灸をすえられる。ぐぎ・・・。っていうか、みなさんと合流できてないんで言う暇なかったんですが…。

「ほんと、また居なくなると思ったんだから」
「私の心は…?」
「もう全部終わったの。ありがとう、助けてくれて。」
「何かを守れるならば、私は幸せだもの。」
「ほんと、何かするときは私たちに言ってよね。」

こっちの心臓も持たないんだから。あぁ、後日説教か、なんて思考にくれる。あれから何日が過ぎたのだろうか、妹たち元気でやってるかしら。なんて、ぼやけば、もう家モードなのぉ?はじめちゃん、といられる。だってしょうがないじゃない、主婦代理なんだもの仕方ないじゃない。そう言い返すと、二人でクスクス笑う。

「そうね、相談するわ。愛野さん」
「愛野、だんて、もう!美奈子でいいわよ〜。」
「改めて、よろしくね美奈子さん。」

みんなのところいこっか。手を引くように二人並んで歩きだす。それが、昨日だったが。昨日の今日で説教か!通信機で呼び出されて、無限学園跡にやってきたのですが、誰もいないなんてどういうことですかーぁぁぁぁあああああ。叫んでも返事が来ず。青い球体が空に飛んでった。

「まだ、誰か戦っているのか。」

面倒だ、高みの見物をしていく。だって2対4にしたって不利だし、これ以上戦力が増えても、ねぇ。どうせなら。このあたりに生き残りのダイモーンを探していたほうが有益だ。ぼんやり思いながら、二対のやり取りを見る。いや、私は侵入者専用の戦士だし、私から見たら二組とも内部戦士だ。戦っているのを、止める義理はない、きっちり変身は待ってやるんだな。これが常識なのか?なんて、思いながらセーラームーンの変身を待つ。今日の、晩御飯なににしようかと、ぼんやり思いながらとりあえず千葉さんに連絡入れておこう。タキシード男に面倒みさせよう、面倒だし。うん。とりあえず、眺めておこう。一言連絡を入れて、またぼんやり見ている。あぁ、眠たいなあ。今日洗濯日和だったのに、夜に洗濯しておこう。うん。また、遠くから眺めていると、赤いバラが飛んだ。あ、来たんだ。なんて素直な感想を持つ。思ったより早かったなぁ、と感想を持ち小春日和に包まれて空を見上げる。

そういえば、もうすぐ皆既日食だな、思いだして太陽を見上げる。直視すると危険なんていうけれど、私はそう思わない。来るなら来い!紫外線!ほんとこうなればある意味立派な主婦の一員だ。
目を細めてみると、太陽のそばに月が見える。ほんと、月野さんって、底なしに明るくて、月の様な神秘さを持って…ないか。なのに、彼女は愛と正義のセーラー戦士だなんて誰が思うんだろう。
木を隠すなら森に人間を隠すなら都市になんていうものだ。人はみかけによらないし、…って、何を思ってるんだか。
「はじめちゃーん!返るよー!っていうか、レイちゃんの家で説教だよー!」遠くで悪魔の最終勧告が聞こえる。はぁ、行くしかないのか。高みの見物していたことに気づかれない事を祈りながら、はじめは急いでビルの瓦礫の中から一気に駆けだす。少しでも怒られる時間が短くなりますようにと思いを込めながらその足を走らせる。もちろん、高みの見物を決められていたのを千葉さんに言われて説教タイム二ラウンドが決行されるのである。



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あきゅろす。
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