消えていく事が辛いんだ。
三日間という超ど短期で、白魔導師は連れてかれた。案外さっぱりした奴らだと感慨になると同時に仲間が減った。こいつらさえ居なかったら、彼らも居きられたのにな。と誰もいない牢を片付けた。
「バルバシリア、カイナッツォ、スカルミリョーネ…先に逝って」
「上官」
「ルビカンテか。」
人間に慣れ合うといつもこうだ。と言わんばかりに、やれやれと首を傾ける。全く人間は面倒だな。依存なんてただの枷ではないか。
「いえ、上官」
「どうしたルビカンテ」
「ゴルベーザ様が」
呼び出しかい?なんて聞いてみれば、暫くして微かにはい、なんて返ってきた。
「あいよ、行きますよー。ルビカンテ、お前エブラーナ倒圧だったよな」
「まぁ。」
「…気、つけろよ。エブラーナな忍びの団体だ」
闇夜に紛れて牙を向くと聞いているからな。じゃ。と肩を叩いて、マラコーダは牢の後にした。
「上官、あなたは…?」
言いかけていた言葉を飲み込んで、ルビカンテは喉に詰まった言葉を飲み込んだ。が、しかし…。
「呼んだか、ルビカンテ?」
ひょこりと顔を出して、みたらびっくりした表情をされて何でもないです。との返答だ。なんにもないなら、いっか。と切り上げて、廊下を急いで渡っていく。
無機質な機械の群れを縫うように走る中で、シュトラールが声を掛けた。
「やっぱり、嫌われてるのかな、」
「そんな事ないと思うぞ。」
「か?」
ぽつりぽつりと紡ぎながら、ため息をつく。あいつらが、守るべき仲間だから、消えていく事が辛いんだ。
「珍しいな。」
「人間に感化されたんだよ」
「ファレル嬢にか?」
天下のマラコーダさんも、毒牙を抜かれたってか!ゲタゲタ笑うシュトラールに一喝する。
「入ります……ゴルベーザ様?。」
「マラコーダか、」
「お怪我が有るようで、今、治します。」
「あぁ。」
無数の打ち身を眺めて、確かセシル一行がメテオを使ったと言っていたかな。と思考を飛ばしながら、呪文を呟き傷口に意識を向けて手で包み込む。
「療明、」
穏やかな緑の光が、ゴルベーザを包み淡い光を放つ。
「しばらくは安静にしてくださいね。」
ぺしり、と傷口を叩くとゴルベーザが呻いたような気もしたが、気にしない。平然とした顔でマラコーダは聞いた。
「はいはい、任務行ってきますよー」
「アガルトに何人か用意している」
「はいはい」
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