「よ。ハーヴィ坊」、と軽い挨拶を交わす。 「けーふかん。遊びに来たよん。ケフカんの玩具が入ったって聞いたんだけど」 ふよふよ浮いてマラコーダはケフカの周りを飛び回り、ケタケタ笑っている。地獄を冠指す風貌に似合わない性格のマラコーダの視界に二人目が目に映って笑みさえも消えた。 「……もしかして、コイツだったり。する?。」 マラコーダが指差す先に居たのは死ぬ前の世界で、力だけを頼りに仲間を守り続けた見慣れた敵がいた。ただ、光を宿さないように暗い表情を浮かべて、まっすぐ前を見つめて、壁際に立っていた。 「ぼくちんの玩具。強いんだよー。」 ぐひゃひゃひゃ。と笑う音は、酷く耳障りに聞こえてきたが、そんな気味の悪い笑い声よりももっと危ない…というかなんというか…ヤバい予想が出来る。 「そ。…ま、ごるびーちゃんに黙っといてあげるー。うん、確かに武神事変-Satellit Reacter-は強い」 そして脆く、崩れやすい。守るモノがあるが故か、孤高を歩いているからか。マラコーダは知らないが、適当な所で、思考を切ってケフカから離れて、俺、他の用事思い出したと、余所に向かっていく。 「あんなやつの玩具になるような事はない。……仲間を庇って、かな。」 ごるびーちゃんに言わないけど。片割れには言うよ。だって彼は、私の大切な兄弟のご学友…だからな。ニッと笑って姿を眩ます。予定は決まった。 姿を消せば、また、新たな場所に姿を表して、周りを見渡す。敵側の人間四人が四人共戦闘体勢をとっている。 まぁなんて手厚い歓迎だろうね。なんて一言放って「よ。ハーヴィ坊」、と軽い挨拶を交わす。 「何しに来たんすかー。」 「1つ2つ、教えに来たんだよ。」 ニヤリと笑う地獄の目は上半月に細まって笑うのであった。 [*前へ][次へ#] |