今戦うべきは、野郎共の飯事情だ。 情報を交換してると、フリオニールがサメラに質問を投げかけた。サメラはどこに行くんだ? 「…適当。チョコボの思うがままに、な。」 「バッツみたいな事言うね。」 「バッツか。」 「会ったのか?」 「まぁ、ジタンも。」 空を見上げれば夜が近いことを知らせていた、旅の用意は早い目にしておいたほうがいい。今晩の予定を立てながらサメラはぼんやりと耳を傾けた。 「サメラ?」 「…ん?どうした?セシル。」 「何を考えてるのかな。と思って。」 「夜が近いからどうしようかな。と思った。テントはたくさんある、これだけの人数集まってたら、寝ずの番も負担は減るだろうな。と考えた。」 サメラ、セシル、クラウド、ティーダ、フリオニール、この場には5人居る。寝ずの番だって時間で分ければ負担は減るだろう。 「そうだな。どうする?」 「興味ないね。」 「えー、クラウド一緒に寝ないんスか?」 「お前なぁ、サメラは女だぞ!そんな。「別に気にしてないが。」…え、あ…いや、だからな。」 「…●貞…」 「待て、今言った奴だれだ!。」 ギャーギャー騒ぐ中で、フリオニールが怒鳴りティーダが笑い、セシルが宥めているのを見ていると、不意に何かがよぎった。…何か、懐かしいような。 「…っ。」 「サメラ。どうかしたか?」 「…なんか、いや、なんでもない。」 ふいに思い上がったイメージは、なくなった記憶なのだろうか。静かに自分に問いてみた。 「晩飯の支度するか。」 荷物の中にある食料は、底を尽きる事を知らない。逆に、増えていくから仕方なく消費する。しかしたまに持っていたギルが減っている所をみると、自動回収といった形のようだ。……変なの。なんていう言葉で片付けて、サメラは意識を切り替えた。 今戦うべきは、野郎共の飯事情だ。 [*前へ][次へ#] |