私は今日も元気です。 「なんだって言った?」 穏やかな雰囲気が一転二転して、サメラの目つきが鋭く、そして眉根が寄せられた。 「だから、任命式典はハッタリだって?」 「そのもう一個前だ!ふざけているのか!」 「カインの婚約発表?」 「そうだ!何故、私が着飾らなければならないんだ!」 「ほら、サメラも僕も旅の仲間じゃないか、参加しなきゃいけないし、カインの婚約相手も僕を通じてだしねぇ。」 ねぇ。じゃない、なんて叩きつけるように吐き捨てて、王の間一つ手間の部屋に着く。 「カインの相手、バロンの貴族出になるし、必要なステータスだし、二人が望んでいるように見えるし、だから。そうなった。」 「その結婚は、政略結婚になるのか?」 「うーん、かなぁ。」 どうなんだろう?とセシルが首を傾けると同時に、後ろのドアががなり立てるように鳴る。 「セシル、どういうことだ!」 「カイン、来たんだね。じゃ、僕は先に行くから後で来てね、ご両人。」 「「セシル、言葉が違うぞ! 」」 言葉を拾う間もなく、セシルがドアの向こうに消えた。参列者と聞いているので、とりあえずカインを置いて、ドアの向こう側に消える為に手を伸ばしたが、その手をカインが掴んで、制止を促した。 「行くなサメラ。」 「…は?」 「いや、お前が選んだんなら何も言わないが…」 「はぁ。……カイン、何の話だ?」 「サメラが、どこかの貴族と婚約するからとローザから」 「カインの婚約発表じゃないのか…?」 問いかけようとしている最中に気がついた。……彼奴等だ。 「セシルとローザだ。」 「まんまと喰わされた訳か。」 「だろうな。」 「「……………はぁ」」 同じタイミングでため息をつくと、なんだかおかしくなってクスクス笑いあって、またため息。 「なんか、順番間違えたが、俺と結婚してくれませんか?」 「一緒の墓には入ってやるよ」 伸ばされた手をサメラは握りとって、王の間に駆け込んだ。 窓から見える青は、綺麗に澄んで早くも月が伺える。 兄さん。私は今日も元気です。 Final Fantasy W。 青、蒼、斑。 月の帰還。 END (で、どうしてお前がハイウインドの紋章をしているんだ?) (これバロンのじゃないのか!?) (…セシルか) (そうだ、思い出した。カイン、お前人の事を漢女だとか言っただろ!) (そんなことは) (メテオ!) [*前へ] |