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地獄に墜としてさしあげましょう、

ザリザリザリザリリ、足音を鳴らして幾多の敵を倒す。団長に声をかけても、返事はない、消えてしまったのだろうか。

「…また、会うときまで。」

言葉は風に乗って、彼方に消えゆく。届かぬ言霊は、月の遺跡奥深くで音は消えた。ついに一人になった、自分の中には誰もいない、あるのは次の宿命だけだ。

「……さぁ、行こうか」

誰かに言うわけでなく、静かに呟いた。無音の最下部でシュトラールは音を探したがなにも聞こえないただ沈黙が降るだけだ。

「愛してるよ、みんな。」

私が守ってみせる。と言う心意気とサメラの相棒を軽く振ると、素早くインシデントソルジャーは薄い刃に姿を変え前を睨む。

「…試してみよう。理解できるかどうか…この私の言葉を…」
「誰だ。」

静かに地を這う声は、足元からやって来るように聞こえる。……奴は誰だ。

「気づいているだろうが私がクリスタルの所有者だ。」
「クリスタルの所有者。…なら、この記憶のクリスタルは、お前のものだと言うのか」

異説で秩序が言っていた事と違うではないか、サメラだけの小さなクリスタルで秩序はあの異説に呼んだのではないのか。様々な疑問が浮かんでは巡る。

「君たちは、クリスタルを叡智の象徴と思っているようだがそれだけではない。クリスタルは、確かに君たちに技術を与え、文明を発展させた。だがクリスタルとはその進化の過程や結果すべてを記録する媒体でもある。彼女たちマイナデスも多くのクリスタルの記録から私が創り出した最新の実験体だ」
「マイナスデス…サメラを連れ去った奴か」

狙いはなんだ。あいつは何を狙っている。少ない情報で沢山の意味合いを聞き出そうとして考えるが、もう全てが解らない。
この世界のクリスタルは、別の世界でも使い回されていると言うか。何というか。

「残念、時間だ。やはり、君たちでは私を満足させることはできなかったようだ。進化に失敗した劣等種が世界にはびこるなど私は決して許すことができない。故に、止めるわけにはいかないのだ、この真月を…君たちも私の創り出したクリスタルによって進化した生命に過ぎない。いわば私の創造物だ。クリスタルもマイナデスもそして、この真月も。それゆえ私は、こう呼ばれる。創造主…クリエイターと…!!」
「創造主。神にでもなったつもりか。」

ならば、そんな神は引きずり地獄に墜としてさしあげましょう、


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