[携帯モード] [URL送信]

もーまんたい。
7.シド。

飛空挺がけたたましい音を立て空を飛び交いサーチライトが縦横無尽に走る。

「バロンの飛空挺か。」

ミシディアから旅立って三日。バロンの国王は不機嫌らしい。とそこで理解した。小娘ひとりにどれだけの労力を使うつもりだ。サーチライトの動きをなんとなく眺めていたら、光に照らされた。…やばい。

「見つけたゾ!」

怒声と共に降り落ちてくるのは、多分竜騎士の団の塊なのだろう。…だとしたら、地上は危険だと思った。

「っちぃ!」

舌打ち一つかまして竜騎士の塊に突っ込んで人塊を踏んでく。とりあえず飛空挺の主戦力(もとい指導者)をぶっ潰してしまおうと考えて、船端をつかみ反動で振り上がる。

「あ、シド」
「なんじゃ、おまえさんかい」

なら、振り上げているスパナをどうにかしろよ。なんて些細なツッコミを放り投げて振り替える。竜騎士団体様は地上に降り立った。

「セシルが探してるのか?」
「おまえさんがどこかに居るんだ。五月蝿いんじゃよい。」
「そうか、元気ならいいんだ。」
「まだバロンには帰らないのか?」
「帰らない。しばらくはな。」

じゃ。と軽く手を振って、を通り抜け、飛空挺を挟み竜騎士団の反対側を優雅に落ちていく。

「なんじゃい、世話しない奴じゃ!」

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!