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もーまんたい。
魔法だ。

竜騎士団の副隊長は、父の部下でシュトラールの幼い頃からの知り合いで、そんな彼は私がどんな人間かを知っている。か弱い女と一緒にされないための意表を突く方法は一つ。魔法だ。

突かれる槍を適当に受け流して、反撃を加える。

長い槍が突くように向かってくるのを判断して空に逃げると追いかけてくる軽い目に飛んだから直ぐに終わりがくる。

「…唸れ、天鳴。」

闇色に近い鎧に稲光が走る。牽制のような音を鳴らせどもやはり雷は雷。かなりのダメージを与えたと思う。

「走れ、雷速。」

槍に雷を付与して最後に一度模擬槍で遠慮なく副隊長の腹をついた。刃はないからそこまで考えなくても大丈夫だ。

「もうそこまででよい。」
「へ、へいか。」
「模擬訓練でそこまでしてしまうと、支障が出るしの。」
「よろしい、これからもバロンの為に」
「勿論、陛下。」
「シュトラール・ハイウインド。貴公を竜騎士団長に任命す。」

しばらく頭を下げて言葉を紡いでから頑張りたまえ。の声を聞いてしばらく顔を上げた。そこに先ほど戦った相手が立ってシュトラールを見下した。

「改めて、ヒューレット・パッカード、竜騎士団副団長だ。リチャードとは旧知の仲だ」
「ええっと、パッカードさん。」
「ヒューレットでいい。」
「…そう。シュトラール・ハイウインドだ。とりあえず竜騎士団団員に告ぐ。」

私が隊長になった。…不満がある奴は前に出てこい。持てる力全てで対応しよう、期限は一週間。それ以後に何かあってみろ、それ相応の仕返しをさせてもらう。一応この一週間は仕返しなんてするつもりも毛頭にない。私に傷の一つでも与えられたら…まぁ、その時はその時で考えようではないか。

ニヤリと笑ったシュトラールの後ろでヒューレットがため息をついたのが聞こえた。

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あきゅろす。
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