もーまんたい。
2.リディア。
「リディア。ご飯行こう。そろそろ夜だしな。食べてからお城の散策をしよう。楽しいのあると思うか。」
「うん。」
右手の小さな温もりを感じながら、ファブールの場内を散歩する。
目の前で仲間が浚われていった。
闇色のマントの中に消えゆく彼女の恐怖に怯えた顔が頭から離れない。
小さくため息をついてから、目的の場所に到着した。
食堂に着いてリディアは席の確保を頼み、自分はリディアの分の食事をを頼む。相応のいくらかを払ってから暖かな食事を運ぶ。
「……」
遠くから見てもきれいな色の瞳に涙が溜まっているのが解る。
泣きたいのを我慢しているのがすぐさま理解出来る。声をかければきれいな色の瞳が重なった。
暖かな食事を目の前に置いて、リディアの正面に腰を下ろして、手を組んで、そこに顎を掛けた。
「泣きたいならないてもいい。」
無理に笑う必要もない。辛いことが有るならば泣けばいい。その泣いた分以上に笑いなさい。その笑顔は幸せを連れてくる。だから泣いて、それから笑いなさい。
若草色の頭を撫でれば、淋しい粒が机を叩いた。
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