[携帯モード] [URL送信]

もーまんたい。
然るべきハイウインド当主は彼だ。

途中でカインを拾ってファレル嬢たちをポレンディーナさんの所に送ってから、急ぎ足で目的の場所に向かう最中呼び止められた。ニヤニヤ笑いながら彼はやってくるのだ。

「シュトラール女史でございませんか。」
「ご機嫌よろしゅう、ベイガンさん。」
「今日は、どの様なご用件で?」
「今日は黒魔導師団勉学を。」

聡明なお方ですね。なんて言葉をかけられたが、その後につくのはきっと男の邪魔を。と意味とれるものなのだろう。この人の嫌味ならべつに今なら堪えない。

「ベイガンさんはどちらまで?」
「私は書庫に向かいます。必要な書物を取りに。」
「それでは、ご機嫌ようベイガンさん。」

なんて言い回しに粟がたつ。歯に衣着せぬとは言うが、シュトラールの場合着せすぎだ。
己の内なる言動をひた隠しにしてシュトラールは生きてきた。もしかしたら今思えばひた隠しにしていた言動は後々マラコーダの時に十二分名ほど必要だったのかもしれない。

そして15。シュトラールは士官学校に入学。日々絶え間ない訓練をし、頭角をつけてきた頃に変化が起きた。

すこし、春めいてきた14も終わりに近づくある日である。父、リチャード・ハイウインドが死んだ。昨日まで笑っていた人が、もう冷たい。

「父様。」

10を越えてからは私を大人として扱ってくれた人が、もういない。色々とあたふたしていたが、その温もりはない。主を無くした飛竜が可哀想に思う。

「ねえさま。」
「…カインか。」

リチャード・ハイウインド亡き今、然るべきハイウインド当主は彼だ。私−シュトラール・ハイウインドを忌み嫌ってた奴が追い出そうとしてももう遅い。カインが大人になるまでは。親戚じゃない私がハイウインドの先頭に立つ。

士官学校入学、ハイウインド当主、飛竜、まだまだ考えなければならない事が山ほどある事を考えて、肩を下ろした

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!