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もーまんたい。
二人の小指と絡めて約束の意を結ぶ。

バロン城に登城して木製の橋を渡る。目指すはバロン城にある歴史長い図書館だ。カツカツと足を慣らせば見知った顔が走ってきた。…泣きそうな顔をしてだ。

「シュトラールさん!。」
「ハーヴィ坊もファレル嬢もご機嫌よろしゅう……では、無さそうだな。」

眉尻を下げると、二人は今すぐにでも泣きそうだ。仕方がないから門の後ろに隠れるように身を滑らせた。

「シュトラールさん、この国の人だよね。カインの家のおてん、じゃないよね。」
「ベイガンさんがね。シュトラールさんが…」

あぁ、この子たちは……。静かに、肩を落とした。目線を合わせるように屈んで、抱き寄せる。子供特有の暖かさが伝わる。

「大丈夫、落ち着きなさいハーヴィ坊もファレル嬢も」
「でも、シュトラールさんが。」
「大丈夫です。セシル・ハーヴィ。ローザ・ファレル。……ポレンディーナさんの所、行ってらっしゃい。向かう最中でカインを引っ張って行ってらっしゃい。」

今日の話は、誰にも言ってはなりせん。すこし厳しい目の口調で言えば、陛下にも?と、すこし震えた声が聞こえたが陛下にもです。と返す。……私は彼らを守る手だてはない。何をどうやれども私は彼らを守る盾にもなれない。

「そろそろ旅のサーカス団が来るみたいだからカインとハーヴィ坊とファレル嬢とで一緒に街におりようか。」

二人の小指と絡めて約束の意を結ぶ。

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