もーまんたい。
「ぶふぅー!。か、カイン!?」
「ねぇさまー」
「ぶふぅー!。か、カイン!?」
飲んでいた紅茶が鼻の方向に向かうのはなんとか食い止められた。でも、なんかこの弟の姿は何だ。
「母様?」
「いやぁ、シュトラールちゃんの服見つかってね」
いやいや、見つかってね。じゃない。と母親の向かいに立ち頭を抱えた。可愛いでしょ。と母親の声が聞こえる。…仕方ないか。と考えて行き着く結果はここだ。
「…ハーヴィ坊ならしないだろうな。」
ファレル嬢みたいな姿なんて。と引き合いに出せばカインは直ぐに対抗意識を燃やす。…引き合いがいたら楽だな。なんて考えに行き着く。母親の声は聞こえるがこうなったカインを止められるのはファレル嬢しかいないだろう。
「だが、カインはカインだ好きにしたらいい。」
クシャクシャと撫でつけると、カインははにかむように笑う。カインは昔から甘えただ。
「ねぇさまー。あそぼー。」
「今日のお勉強が終わったらな。」
「わかったー、いくー。」
「……とりあえず、着替えてからおいで。」
むー。と頬を膨らませるカインを説きふせる様にハーヴィ坊とファレル嬢の名前を出せばカインは直ぐに着替えに向かう。
「先に行くから、後でおいで。」
きっと先生だってカインを無碍にはしないだろう。
カインはバロンを担う、竜騎士団の次期当主になるだろうだから……。
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