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記念簿。
戒嬢あて 初めての。セシロザ
今日も疲れて帰る。
そして、その先に待っているのは。
暖かい我が家。

「お帰りなさい。セシル。」

そんな声を聞いて、疲れが吹き飛ばされていく気がするんだ。

「ただいま、ローザ。」
「今日、ね。セオドアが、歩いたの!」

なれた重い鎧を脱いで、ソファに座ると緩やかに笑う、伴侶の言葉を聴いて、視線を息子に向けると、ぺたぺた足音を鳴らして、自分の足元によってくる息子を抱え上げ、自分の目線より高い高さまで上げる。同じ色した青の瞳と優しげなローザを髣髴させる笑顔は、自分たちの子だと、再確認してローザをひざの上に座らせセオドアをその上に乗せる。。

「僕は幸せだな。って思って。」

ほら、ローザがいて、セオドアがいて、カインは今どこかで生きているんだろうけど、世界は平和でバロンはのんびりで、幸せ者だなって。
溶けたバター色の髪に顔を埋めて耳元でささやく。

「ありがとう、ローザ。僕に幸せをくれて」
「私もよ。ありがとうセシル。」

貴方が生きて旅から帰ってきてくれて。ローザの頭がセシルに寄りかかり、見上げるような態勢で、目線が重なり笑う。そうやって笑っていれるのが幸せで、十分で、これ以上ないほどの至福。

「今、お茶を入れるわね。その間セオドアをよろしくね。」
「ありがとう。」

セオドアを受け取って、対面するように、青同士がかち合った。こうやって子を持つようになって、同じ色をした息子を見て、過去の自分はこうだったかと考えた。陛下がいて・・・幼すぎる記憶はあいにく持っていない。覚えているのは、陛下の忙しそうな背中と、おおきくて優しい手で撫でてもらった事だ。

「僕は君の立派な父親になれるかな?」
「さぁ、どうなんでしょうね?」

やっとたって歩けるようになった息子が流暢に言葉を放った?ちょっと!ローザ!と呼びかけようとして、意識がはっきりした。夜の帳、小さなテントの中。

「・・・夢・・・か。」

だよね。小さな息子が流暢に会話が成立するんだもん。夢だよね。
うんうんと納得したセシルは、吸い込まれるように、もう一度夢の世界へ飛び出した。次も幸せな夢を見れることを祈って。

初めての。
(…ボコォオ…)(…ぐあっ…)(うーん。)(…シュート!)(…寝れないよ。バッツ、ちょっとけらないでよ。イタタタ、ティーダ殴らないでって。もう。みんなのんきに寝ちゃって。)



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あきゅろす。
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