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記念簿。
かざみさん宅娘さんと 夜はそれから。
かざみさん宅の娘さんアルト嬢と
うちの子サメラとニーナのお話。(FF6)


「サメラ?」

振り返れども、暗い廊下。さっきまで居た世界とは違う世界。・・・ここはどこだと。ニーナは首をかしげた。髪の間から光沢ある、蝙蝠の翼のような耳が照明によって、ぼんやり映り出た。

「…この匂い、フィガロ?」

世界を知らないニーナにとって、砂漠はすべてフィガロだった。それが、旅で得た知識であったが、つい最近それをも覆され、ニーナの中では、砂漠自体がフィガロになりつつあるのかもしれないが、それはニーナだけが知ることだ。風の音の中に、聞きなれた怒声が響いて、薄い膜のような耳がピクリと動いた。

「サメラ?」

誰かを怒っている。かろうじて聞き取れる怒声の内容を反芻しながら噛み砕いて、意味を理解する。離せ。寄るな。
サメラは誰かを拒絶している。…なにか、あったのだろうか、とそちらにかかとを向けるために、ニーナは木靴を鳴らして少し早足で歩く。まさか、サメラ戦ってるの?そんな疑問を胸に抱き、逸る足を尚も急がして、石畳の廊下を蹴った。廊下の曲がり角に、人を見つけ、ニーナはその思う名前を呼んだ。

「……サメラ?。」

違う人だった。予想打にしなかった現実にニーナの血は一気に下に下がったような気がした。誰だ、と聞かれたニーナは、言葉をにごらせて、煮え切らないような言葉を溢していくのである。そうだ、この耳は見られてはいけないのだったとおもい、急遽手で髪をすいて、耳を出来る限りかくして、まくし立てるように言葉を連ねた。

「迷って、はぐれた。」
「…フィガロは目立つしな。砂漠の中の城だしな」
「…やっぱり、フィガロ。か」
「何度か来たのか?。」
「…まぁ。」

窓の外から聞こえる声は、明らかに怒声を超えて絶叫に聞こえる。・・・行かないと危ないかも。とニーナの考えた3秒後明るい火柱が立つのであった。…なんか、あったな。

「…あれは?火事か?」
「たぶん、知り合いがいるはず。」
「様子を見に行くぞ」

##name1##に差し出された手を迷わずニーナは掴み火柱上がる。そこまで夜の廊下を走ったのである。

夜はそれから。
(…名前は?)(…ニーナ)(知り合い。見つかるといいな。)(サメラに似てる・・・)(ソイツがニーナの知り合い?)(そう。)




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あきゅろす。
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