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記念簿。
かざみ嬢あて。 I LOVE YOU カイン
「な。カイン。これ、何て読むんだ?」
「どれだ?」

夕食後の食休みを挟んだ跡の勉強時間。指差された単語を覗いて、カインは反応に困る。困らなくてもいいのだが。

「この読み方がよく、分からん。あい、らびゅー?ラビューとレビュー・・・違うか。」
「I LOVE YOU」
「・・・は?あい、ろヴぇよー?」

だめだ。こいつ文字がろくすっぽ読めてない。いままで何を勉強してきたと言うんだ。冷ややかな目線を送り続けていたら、どうした?というような目線を送り返されて、子どものようにどんな意味だとせっついてきた。

「何かといろいろ聞くが、どんなときに使うんだ?カイン」
「・・・・・・それはだな。お前と、一緒に死にたいというか、」
「戦場でか?」

違う。いろいろ違う。
普通の女は戦場に出ないだろうが、と言えば、納得したように手を打ってうなずいた。お前が珍しいのを理解しろと、言うように頭を軽く叩いてやると、頬を膨らませて頭を抱えた。

「まだ、死にたくないぞ」
「未来の話だ!今で捕らえるな!」
「なら、この意はお前と共に生きたいというニュアンスで…いいのか?」

いや、それよりももっといい訳仕方があるな。
とポツリつぶやいたカインの声を拾い上げてサメラは反応を示して「もったいぶらず早く言え!先が気になっているんだ!」と、テーブルを挟んで襟首掴み大安売りの喧嘩を売り出す。もちろん、背が小さいゆえもあって、カインは平然と立っているだけだ。
暴れる伴侶の抑え方は知っている。

I LOVE YOU
(愛している)(お前!平然と言うな!照れる!)(何度でも、お前のためなら言うさ。愛してる)(・・・フレアー!)


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あきゅろす。
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