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お菓子も悪戯。trick too treat!ガウェイン
うっすら甘い匂いが部屋に立ち込めると嬉しそうにサメラは、オーブンから黒いケーキを取り出し出来上がりを見た。
菓子を作り上げたサメラは、余熱をとるために机の上に出して冷やしつつ茶を飲みだした。…さて、コイツをどうするか。とサメラは頭を抱えていると、学習を終え、腹をすかせたガウェインが帰って来た。

「サメラ。腹減った」
「あー。なんか用意する」
「俺、それがいい!貰う!」
「おい、こらガウェイン」

ガウェインが待て。の静止を聞くはずもなく菓子はガウェインの口に放り込まれ、満足そうにガウェインは口を動かした。が、数秒後、まるで苦虫を噛んだかのような表情をした。

「勝手に食うからだ、ガウェイン」
「チョーマジィ、サメラ、茶!」
「はいはい。これは、砂糖の入ってないチョコレートケーキだからな、苦いのも当たり前だ。」

ダムシアンカカオ98パーセント。とかかれた甘味物(に近い別の何か)のラベルを机の上に取り出してやると、甘いのねーのかよ。とガウェインが悪態を吐いた。

「仕方ないな、今から作るぞ。ガウェイン、手伝え。」
「俺、今から宿題しようかな。って「今までした事ない癖に、」…へぇへぇ、解ったってば!サメラ!」

じゃあ、チョコレート切り刻んで。と指示を飛ばせば、だるそうな表情を浮かべたガウェインは仕方なく作業に取りかかる。

「笑って作らないと菓子は美味くならんぞ、ちなみにこれが失敗してもガウェインが残さず食えよな。」
「わーった!わーったから、笑えば良いんだろうが」

似合わない笑みを浮かべたガウェインを見てサメラは、ゲタゲタ笑いたい衝動をただひたすら我慢する羽目となった。まさに身から出た錆。

お菓子も悪戯。
trick too treat!

(まぁ、お前を手伝いさせる為の懲らしめる用だがな…)(なにか、言ったか?)(カインに帰って来たら食わそうと思って、因みにガウェイン不得意のこの苦いケーキをな。)(うわぁ、目がマジだ。…ドンマイカイン!)(…吐くほど辛くか吐くほど甘いのどっちがいいか)(俺のは甘いの)(だからガウェイン用の奴じゃなくて!)(えー)(…セシルでもいいな)(甘ったれた根性を今こそ叩きなおしてやる…)(やれるもんならやってみれば?)(せ、セシル!)(今なんていった?)




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